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2023/12/26

採用担当者必見!人材採用の質を変える採用マーケティング実践ガイド

採用担当者必見!人材採用の質を変える採用マーケティング実践ガイド

採用市場の変化が激しいなか「従来の採用手法では求めるスキルをもつ人材が集まらない」「業界の人材不足が深刻で現場が疲弊している」と悩んでいませんか。実はその悩みは採用マーケティングを取り入れると解決できます

この記事ではマーケティング手法を取り入れたキャリア人材の採用活動を行いたい企業の担当者様に向けて、質の高い人材の採用を促せる採用マーケティングの実践方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

採用マーケティングとは?

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採用マーケティングとは、マーケティングの考え方や手法を、採用活動で取り入れることです。

マーケティングでは通常、商品やサービスの認知から購入までの過程を段階的にとらえ、各段階の顧客ニーズにマッチする施策を講じます。

その際の趣旨は顧客が求めていることをしっかり理解したうえで、そのニーズを満たす商品を作ること。そして、狙ったターゲット層に自社の商品やサービスを知ってもらうための活動を行うことです。

一方で採用マーケティングでは入社前から入社後までの過程を段階ごとに捉え、定着や活躍までを含めた戦略を立てる点が特徴です。

例えば採用マーケティングでは企業が理想とする人材ニーズを洗い出し、職場環境や給与、スキルアップの環境などを整えます。また、自社が求める人材像にマッチするターゲット層への認知を広げ、興味関心を促すことも施策の趣旨です。

企業を商品の一つとして考え、今すぐには転職を考えていない潜在的な求職者や自社の社員に対してもアプローチする。そして求職者から選ばれる企業になるために、採用の過程やそれぞれの段階を最適化することが採用マーケティングの役割です。

  一般的なキャリア採用 採用マーケティング
施策の対象者 現在、転職を考えている人たち ・今すぐには転職を考えていな人たち
・現在、転職を考えている人たち
アプローチする範囲 応募から採用まで 認知から入社後のエンゲージメントまで

採用ブランディングとの相違点

採用ブランディングと採用マーケティングでは施策で達成したい最終的な目的が異なります。

採用ブランディングの最終的な目的は「この企業で働きたい」とターゲット層に思ってもらうことです。したがって、戦略的に企業をブランド化し、求職者の入社意欲を高めることを施策の目的とします。

一方で採用マーケティングの最終的な目的は「自社が求める人材を採用すること」です。求職者の動向だけでなく、競合となる企業と比較しながらブランド力の影響を把握します。

採用マーケティングが重要な理由

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近年、主に次の3つの時代背景を理由に、多くの企業が採用マーケティングを取り入れ始めています。

・少子高齢化による労働人口の減少
・採用手法の多様化
・求職者の志向の複雑化

これらの時代背景を踏まえて、以下では採用マーケティングが重要な理由を解説します。

理由1.労働人口が減っているから

近年、採用市場では少子高齢化による労働人口の現状により、あらゆる業界で人手不足が深刻化しています。

総務省の「令和4年版高齢社会白書 」によると、1995年をピークに日本国内の生産年齢人口(15〜64歳)は減少傾向にあり、少子化に歯止めがかからない状況になっています。

求職者1人あたりの求人数を示す、有効求人倍率は1倍を超えており、人手不足が顕著な状況です。厚生労働省が発表した2023年8月の有効求人倍率は1.29倍、新規求人倍率は2.33倍となっています。

企業間の競争が激化しており、いかに求職者に自社を選んでもらうかが企業が存続するうえで重要になっています。自社のニーズにマッチする優秀な人材に認知され、興味をもってもらうためにも、採用マーケティングの取り組みが求められているのです。

理由2.さまざまな採用手法が生まれたから

さまざまな採用手法が生まれたことも、採用マーケティングが重要視されつつある要因の一つです。

今までのキャリア採用は紙媒体の求人情報誌や就活・転職サイトなどが主な採用手法でした。しかし近年は次のように、さまざまな新しい形の採用手法が生まれ、選択肢が多様化しています。

ダイレクトソーシング:データベースに登録している会員に企業が直接アプローチする採用手法 ・ソーシャルリクルーティング:SNSを利用して人材採用につなげる手法 ・リファラル採用:従業員や取引先の人脈からの推薦による手法

それぞれの採用手法はアプローチできるターゲットやコスト、訴求方法などが異なります。採用場面でどの方法を選択するか、戦略的に手法を選ぶ必要性を企業は迫られているのです。

理由3.求職者の志向が多様化したから

求職者が会社に求める価値観が多様化したことも、採用マーケティングが重視されている理由の一つです。従来は会社の知名度や安定性、給料の高さ、福利厚生の充実度などが重視されていました。

しかし現在は待遇面だけでなく、仕事へのやりがいや企業風土への共感なども企業を選ぶ際に重視されています。

入社前に自社をよく理解できなければ、「思い描いていた事業内容と違った」「職場環境に馴染めない」といったミスマッチが原因の早期離職につながりかねません。採用マーケティングはその点、会社の内側を広く伝えることに長けています。

採用活動でもマーケティングのようにターゲットとなる人材像を設定し、自社の内容を戦略的に伝えられれば、求職者も採用する側も納得できる雇用関係が実現します。

採用マーケティングのメリット

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採用マーケティングのメリットは主に以下の5つです。

・応募数アップ
・採用精度アップ
・ミスマッチ防止
・採用コスト削減
・認知の拡大

以下でそれぞれのメリットを詳しく解説します。

1.応募数が増える

採用マーケティングを実施すると、求人に応募する人が増えます。採用マーケティングはそもそも、現在転職(就職)を希望している人だけに対して行うのではありません。

キャリア人材に向けた採用マーケティングでは、まだ転職を真剣に考えていない人たちに向けても発信します。したがって、採用マーケティングを取り入れると、今までよりも採用の対象者数を広げられます。

自社の魅力を適切に発信できれば、競合他社と比較検討したときに、自社を選んでもらいやすくなるでしょう。

2.採用の精度が上がる

採用マーケティングでは情報を発信するターゲティングを綿密に行います。対象となるターゲットがどのような課題を抱えているか、ニーズがあるかなどを行動特性と照らし合わせて施策を講じる点が特徴です。

売り手市場の現在では、求人情報を自社サイトや外部の求人サイトに掲載するだけではなかなか自社が求める人材を集められません。ターゲットの特性をしっかり分析することで、心に刺さる質の高い訴求ができます。

3.ミスマッチによる早期離職を防ぐ

採用マーケティングでは採用情報だけでなく、トップメッセージや社員の声、福利厚生、社内風土など幅広い情報を発信します。また、採用したい人物像を明確に設定するため、自社にマッチする人材を見つけやすい点もメリットです。

スキルや経験などだけでなく、採用した人材の人柄や経営方針などとマッチすれば、早期離職を防げます。また、求職者側が応募の際に向き・不向きを見極めやすくなると、採用のミスマッチを減らせます。

4.採用コストが減る

自社にマッチする人材を採用できると、採用コスト削減につながります。離職率が高いと、企業の生産性が安定しません。欠員が生じると、マンパワーが足りずに機会損失が生まれる、残業が増える、労働過多になるなどの可能性があるからです。

また、発信活動によって自社の認知度が高くなると、採用媒体やエージェントなどへの依存度が減ります。求人広告を出さないと人材が集まらない状態から脱却できると、採用単価を下げることが可能です。

5.自社を認知する人が増える

採用マーケティングを進めると、潜在的なターゲット層にも情報が広がるため、自社を認知する人が増える点もメリットです。

労働人口の減少が進むなか、採用が必要なときだけ募集をかけるのでは、安定的な人材確保ができない可能性があります。企業について多くの人に知ってもらっている状態は採用の成功に関わる重要な事項です。

まずは「入社したい」と思ってもらえるような情報発信を継続すること。そして自社のファンになってもらう活動を通して企業の認知を高めることが大切です。

採用ブランディングの実施ステップ

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採用ブランディングを適切に実施するには、しっかりと手順を踏むことが欠かせません。具体的には以下の手順で行いましょう。

1.自社の現状分析
2.情報を発信する対象の決定
3.全体設計
4.求職者ごとのアプローチ
5.コンテンツ準備
6.効果測定・改善

STEP1.自社の特徴を分析する

まず、企業理念や経営戦略、事業計画などから自社の現状や強み・弱みを把握しましょう。企業の特徴は次の点から洗い出せます。

・企業理念やミッション
・商品・サービス
・価格
・販売力
・生産力
・人材
・企画力や開発力
・財務体制

これらの分析には、市場における自社の立ち位置や競合と比べた優位性を明らかにできる「3C分析」や、戦略の方向性を分析する「SWOT分析」などのフレームワークが役立ちます。

例えば老舗企業の強みは商品・サービス、企業としての信用や伝統、知名度などが挙げられます。一方で新しいものを取り入れにくい保守性や従業員の高齢化、後継者難、設備の老朽化などが弱みとして考えられるでしょう。

また、上記は一般的な企業分析項目ですが、採用マーケティングではそれに加えて、業務内容やキャリア形成につながる要素を分析することが必要となります。

・業務内容や必要なスキル
・業務により得られるスキル
・キャリアアップの可能性
・働く環境や一緒に働くスタッフ
・雇用条件

この会社で働くことが、自分の現状と将来にとっていかにメリットがあるか、キャリアアップにつながるかを、求職者の視点で捉えることが重要です。

STEP2.誰に情報を届けるか決める

自社分析で明らかになった点を踏まえて、自社の情報をアピールするペルソナを決めます。ペルソナとは自社が採用したい人物像のことです。ペルソナ設定が曖昧だと、コストや労力ばかりかかってしまい、効率的な採用になりません。

具体的には次の点を具体化して、ペルソナを設定しましょう。

・社会的特徴(年齢・性別・家族構成・所得・学歴・職歴・資格・居住地)
・会社的特徴(業種・職種)
・ライフスタイル(普段利用するチャネル)
・パーソナリティ(行動・振る舞い・仕事で大切にしていること・転職理由)

ペルソナ設定ではまず、求める人物像の条件を書き出します。例えば実際に現場で活躍している社員にインタビューして、入社理由や就職活動時の話を聞くと具体的なイメージが湧きやすいでしょう。

もしくは求める人物像に近いと思われる優秀な社員に対して適性検査を実施するのもおすすめです。適性検査の結果を参考にしながら、求める人物像の価値観や行動特性を具体化しましょう。

STEP3.全体を設計する

ペルソナを作ったら、次はキャンディデイトジャーニーを設定して全体の流れを設計します。キャンディデイトジャーニーとは求職者の行動・思考・感情を把握する際に用いる、採用戦略のツールです。

次の時系列の段階ごとに求職者の行動・思考・感情をそれぞれ分類し、面接設定率や内定率などを分析するために活用します。

認知→興味・関心→共感・理解→比較・不安解消→決意

このように求職者の行動や感情を時間軸に沿って可視化することで、どのようなプロセスを経て情報収集から入社(または求人への応募)の意思決定をするか明らかにできます。

STEP4.求職者ごとのアプローチを決める

STEP3で設定したキャンディデイトジャーニーはどの段階でどう求職者と接点をもち、どのようなメッセージを伝えられるか考える際にも有用です。

明らかになった段階ごとの求職者の行動・思考・感情を元に、具体的なアプローチ内容を決めましょう。

段階に応じて求職者が求めているニーズに沿った情報をどう提供するか考えることで、効果的に自社の魅力を伝えられます。

例えば転職するために具体的な行動をとっている人たちに向けた情報なのか、転職を検討中の人たちへのアプローチなのかではメッセージ内容や使用するメディア媒体が異なります。

段階ごとのターゲットの心理やニーズを汲み取って、興味関心をもってもらうための施策を講じることがポイントです。

STEP5.コンテンツを準備する

段階ごとのアプローチが決まったら、具体的なコンテンツを企画します。コンテンツの種類は広告やイベント、メディアなどさまざまです。

それぞれかかる工数やコスト、訴求の特徴などは異なるため、自社で準備しやすいものから始めると良いでしょう。

STEP6.効果を測定して改善につなげる

採用マーケティングの取り組みを日々、振り返りながら改善につなげることも大切です。具体的には次の点を管理・分析しましょう。

・自社へのエントリー数
・説明会への参加率
・面接の実施率
・被紹介者の応募率
・メールマガジンの開封率
・公式SNSのコメント数やいいね数
・WebサイトへのPV

そのほか、情報収集を定期的に行って求職者のトレンドやニーズの変化などを把握すると、変化の激しい採用市場で他企業と差別化できます。

まとめ

優秀な人材を確保し、安定的に事業を運営するには従来の採用手法にとらわれない取り組みが不可欠です。採用マーケティングに取り組めば、潜在的なターゲット層に対する自社の認知が拡大し、採用精度の向上やミスマッチによる早期離職を防止できます。

しかし、いざ取り組もうとしても「自社で採用したい人物像がはっきりしない」「企業課題に関して第三者に相談したい」というケースは多いでしょう。

また、採用マーケティングの施策についても一部ご紹介しましたが、多くの人材を確保したいのか、少数の優秀な人材だけを確保したいのかなど、採用の方針によって行うべき施策も変わってきます。

そのため、自社に適した施策を効率的に実施したい場合は専門的な知識や経験をもつ機関への相談をおすすめします。

タカヨシでは採用マーケティングに関するアドバイスや戦略の構築などを承っています。採用マーケティングを取り入れた採用活動をご検討の方はぜひお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフがお答えします。

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