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2025/07/10

競合調査とは?徹底解説!フレームワークを用いて自社の強みを見つけよう

競合調査とは?徹底解説!フレームワークを用いて自社の強みを見つけよう

競合調査は、正しい手順で実施し、経営に活かすことが重要です。しかし、「何を調査すればよいのか」「どのように進めるべきか」と悩む企業も多く、収集した情報や資料などを十分に活用できていないケースも多くあります。

そこで本記事では、競合調査の基本から具体的な手法、活用方法までを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

競合調査の目的とは?


競合調査は、自社の立ち位置を明確にし、競争力を高めるために必要なプロセスです。主な
目的は、2つあります。

  1. 1.競合他社の強みや弱みを把握すること
  2. 2.自社の強み・弱みを元に、自社の差別化を図ること

 

市場には多くの企業が存在し、類似した商品やサービスがあふれています。その中で顧客に選ばれるには、他の会社にはない自社独自の価値を生み出すことが重要です。

新規事業の立ち上げや、新しい商品・サービスを開発する際には、「競合はどこか」「自社はどのポジションにいるのか」といった視点から分析を行う必要があります。

競合調査を適切に行えると、自社の強みを明確にし、他社との差別化ポイントを見極めることが可能です。さらに、競合企業のマーケティング戦略や経営方針を認識することで、より効果的な戦略の立案ができます。

競合調査のメリット


競合調査には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、競合調査の具体的なメリットを解説します。

市場での自社のポジションを把握できる

事業を成功させるには、競合他社の動向だけでなく、自社の強みや弱みを明確にし、それをもとに戦略を立てることが重要です。

製品開発やマーケティングには多くの時間とコストがかかります。しかし、事前に市場や競合の状況を把握することで、無駄なリスクを減らし、成功の可能性を高めることが可能です。

また、競合調査を通じて、自社の特徴を客観的に分析し、競合との差別化ポイントを明らかにできる点もメリットです。強みをより強調したり、弱みを補ったりすることで、より効果的な事業戦略を展開できます。

さらに、これまで意識していなかった競合企業や、今後競争相手となる可能性のある企業を見つけることも可能です。市場調査を行うことで、他社との競争が激化する前に、将来のライバルを予測し、適切な対応策に向けた準備ができます。

競合他社との効果的な差別化につなげられる

市場にはすでに、多くの企業が存在します。類似した商品やサービスが提供されている中で、顧客に選ばれるには、次のような、他社とは異なる魅力を打ち出すことが必要です。

  1. 1.競合企業の強みや弱みを理解すること
  2. 2.自社がどのような方向で差別化を図るべきかを明確にすること

 

例えば、競合企業が高価格帯の商品を展開している場合、自社は手ごろな価格の商品を提供することで、異なる層の顧客を獲得できます。

また、競合が提供していない独自のサービスを加えることで、付加価値を生み出し、差別化につなげることも可能です。

ただし、単純に価格を下げるだけでは、市場のニーズやターゲットの求める価値とズレてしまうことがあります。

差別化を成功させるには、市場の動向やターゲットユーザーのニーズを正しく把握し、競合と比較しながら戦略を策定することがポイントです。

競合調査を活用すれば、自社の強みを最大限に活かしながら、差別化できるでしょう。

競合調査のデメリット


競合調査には多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットも存在します。以下では特に気をつけたい、競合調査のデメリットを紹介します。

調査の準備から実施後の分析まで工数がかかる

調査の準備から実施、得られたデータの分析まで、すべての工程に細かな作業が発生します。

例えば、競合他社の製品やサービスの特徴を調査する場合、以下のような様々な情報源を活用する必要があります。

  • •公式サイト
  • 広告
  • 口コミ
  • 実際のユーザーの声など

さらに、調査結果を正しく活用するためには、データを適切に整理し、経営戦略やマーケティング施策に落とし込むプロセスが必要です。

これには専門的な知識が求められるため、経験が浅い場合は、十分な分析ができずに、リサーチが無駄になることもあります。

競合調査を行う際は、そのメリットを活かすためにも、どこまで調査するかを事前に決め、必要なリソースを確保しておくことが重要です。

調査に費用がかかる場合がある

競合調査では通常、次の工程が含まれており、それぞれの過程でコストが発生します。

  • •データの収集
  • 分析
  • レポート作成

 

例えば、競合企業のマーケティング戦略を調査する場合、次に関する広範囲なデータを集めるケースがあります。

  • ターゲット市場の動向
  • 顧客の口コミ
  • 広告施策など

 

また、得られたデータの分析やレポート作成を手作業で行うには時間がかかるので、ツールを利用することが一般的です。

正確な調査結果を得るためには、専門知識を持つ人材の確保が必要ですが、人件費の面で負担が増える可能性があります。

適切に計画を立てて調査の目的や範囲を事前に明確にし、必要な情報のみ効率的に収集する工夫が必要です。

競合調査の方法は?手順を解説


以下では、具体的な競合調査の手順を解説します。

目的を明確化する

競合調査を行う際は、まず目的を明確にすることが重要です。目的が定まっていないと、調査そのものが目的化してしまい、具体的な改善策に繋げることが難しくなります。

競合調査には時間や手間がかかるので、「とりあえず調べる」という姿勢では、有意義な情報を得られない可能性があります。

例えば次のように、具体的に調査結果を何に活用するのかを決めることが大切です。

  • •顧客満足度を向上させる
  • 商品やサービスのリニューアルを図る
  • 社内制度を改善する

 

「自社の商材Aは他社よりも〇〇が強みなのでは?」といった仮説を設定し、それを検証する形で調査を進めることでも、より効果的な結果が得られます。

調査する競合の設定

適切な企業を調査対象に選ぶことで、無駄な時間やコストを削減しながら、有益な情報を得られます。

競合を設定する際には、直接競合する企業だけでなく、間接的に競争関係にある企業にも目を向けることが重要です。

例えば、以下のような企業が調査対象に該当します。

  • •業界のトップ企業
  • 自社とマーケティング戦略が似ている企業
  • 同じ価格帯でサービスを提供する企業
  • 低価格で高品質な製品を開発している企業
  • ビジネスモデルが似ている企業

 

また、成功している企業だけでなく、業績が伸び悩んでいる企業も調査対象にすると、どのような施策が失敗しやすいのか学べます。

ただし、競合企業を多く挙げすぎると調査に時間がかかりすぎるため、まずは3社から5社程度を意識して選ぶと良いでしょう。

調査項目の設定

競合調査を効果的に進めるには、何を調べるのかを明確にすることが必要です。調査項目が曖昧なままだと、時間やコストがかかるだけでなく、得られる情報の質も低くなります。調査の目的に応じて、必要な情報を絞り込むことが大切です。

例えば、Webプロモーションを強化したい場合には、次の項目が重要になります。

  • •競合のWebサイトのデザイン
  • の充実度
  • SNSの活用状況
  • 広告の出稿頻度など

 

一方で、商品の改良が目的であれば、次の項目を詳しく分析する必要があるでしょう。

  • 競合の価格設定や品質
  • 販売戦略
  • アフターサービスなど

 

調査項目を適切に設定できると、競合分析の質が向上し、自社の成長につながる戦略を導き出せます。

情報の収集と分析

どれだけ多くの情報を得ても、適切に活用できなければ、効果的なビジネス戦略を立てられません。効率的に情報を収集し、戦略的に分析することが重要です。

Web上で情報を収集・分析する際には、例えば以下の状況を調べて、競合の戦略や市場での立ち位置を把握しましょう。

  • •Webサイト
  • •SNS
  • •プレスリリース
  • •広告の出稿状況

 

また、専用の競合調査ツールを活用すると、効率的に情報を収集できる場合があります。詳しくは後述しますが、無料で利用できるツールも多くあるので、必要に応じて活用すると良いでしょう。

情報を集めたら、それらを分析します。

例えば、競合が特定の広告手法を活用して良い結果が得られているとわかった場合、その成功要因を洗い出すことで、その他の施策でも集客効果を高められます。

競合調査に役立つツール


競合調査を効率的に進めるためには、目的に合ったツールを活用することが重要です。ここでは、無料で利用できるツールを2つ紹介します。

SimilarWeb

「SimilarWeb」はURLを入力するだけで、サイトの訪問数やユーザーの流入経路、滞在時間など、競合サイトのアクセス状況を簡単に分析できるツールです。

競合サイトの集客方法やユーザーの行動パターンなど、自社のWeb施策の参考にできます。

ツールは無料で利用可能です。会員登録をしなくても手軽に使えるので、競合調査をすぐに始められます。

ただし、取得できるデータはあくまでも推測値なので、特にアクセス数が少ないサイトでは実際の数値と異なる場合があります。

データを絶対的な数値として捉えるのではなく、競合サイトとの相対的な違いを確認するための参考情報として活用すると良いでしょう。

Googleトレンド

Googleトレンドは、特定のキーワードがどれくらい検索されているか調べられる、無料のツールです。

検索回数の推移がグラフで表示され、期間や地域を指定して比較することも可能です。競合のサービス名や人気のトピックを分析するのに役立ちます。

このツールを使えば、特定のキーワードの人気度を時系列で確認し、検索傾向の変化を読み取ることが可能です。例えば、競合のブランドやサービスがどの時期に注目されているのかを知ることができます。

また、Googleトレンドのトップ画面では、最新の急上昇ワードが表示され、ユーザーの関心を集めているトピックを確認できます。

その他、特定のキーワードの検索人気度を調べたり、競合のサービス名や社名と比較したりすることも可能です。期間や地域を指定すると、特定のエリアの検索トレンドを詳細に分析できます。

ただし、表示される数値は相対的な人気度を示しており、実際の検索ボリュームではない点に注意が必要です。

例えば、検索ボリューム数が100と表示されたら、その数値は、その期間内で最も検索されたタイミングを示し、50はその半分の人気度を示しています。

ですから、具体的な検索ボリュームを知りたい場合には、「Googleキーワードプランナー」をはじめとした、他のツールを併用すると良いでしょう。

競合調査で使えるフレームワーク


競合調査を成功させるには、適切なフレームワークを活用することが重要です。しかし、調査項目の設定や各手順で使えるフレームワークは数多くあり、どれを選べばよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで以下は、競合分析を効率よく進めるために、特に実用性の高い代表的なフレームワークを4つ厳選して紹介します。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、企業が商品やサービスを提供するまでの一連の活動を細かく分け、それぞれの工程でどれだけの価値が生み出されているか分析する方法です。

活動は「主活動」と「支援活動」に分かれ、どの部分が競争力の源になっているのかを明確にします。自社の強みや改善点を通して、他社との差別化を図るための戦略を立てられます。

例えば、製造業の「主活動」は次の通りです。

  • •購買物流
  • 製造
  • 出荷物流
  • 販売・マーケティングなど

 

そして、以下の工程は「支援活動」に分類されます。

  • 技術開発
  • 人事管理
  • 調達
  • 企業インフラ管理など

 

活動ごとに分析を行うことで、どの工程が競争力の源になっているのか、どこに問題があるのかなどを特定できます。

単にコストを削減するのではなく、どの部分でより高い付加価値を提供できるか把握できるので、価格以外の要素で顧客に選ばれるための戦略を立てる際に有用です。

SWOT分析

SWOT分析とは、企業の自社の内的要因・外的要因を以下の4つの視点から分析するフレームワークです。

  • •強み(Strengths)
  • 弱み(Weaknesses)
  • 機会(Opportunities)
  • 脅威(Threats)

 

「強み」は自社が競争力を持つ要素であり、「弱み」は改善が必要な点です。一方、「機会」は市場の成長や新たなチャンスを指し、「脅威」は競争や経済状況の変化によるリスクを指します。

例えば、競合に対して優位性のある技術やブランド力が強みとなる一方、市場の変化や新規参入企業の増加は脅威となる可能性があります。

SWOT分析を活用すれば、強みを活かしながら弱みを補い、機会を最大限に活かす戦略を立てられます。また、脅威に対する対策を事前に考えることで、リスクを最小限に抑えることも可能です。

企業の方向性を明確にし、説得力のある目標を設定するために、SWOT分析は欠かせません。

5フォース分析

5フォース分析とは、業界の競争構造を分析し、自社の強みやリスクを把握するフレームワークです。

このフレームワークを活用すると、業界全体の競争要因を整理し、どの部分に注意を払うべきかを明確にできます。結果として、自社の競争優位性を築くための戦略が立てやすくなります。

分析の際に確認する要因は、次の5つです。

  1. 1.競合
  2. 2.代替商品
  3. 3.新規参入者
  4. 4.購入者の交渉力
  5. 5.販売者の交渉力

 

まず、競合の状況を調べることで、他社との差別化ポイントを見つけられます。そして代替商品が市場に影響を与える可能性を考えることで、自社の商品やサービスの価値をどう維持すべきか検討します。

新規参入者の影響を把握し、競争が激化する可能性を予測することも重要です。

また、顧客の交渉力が強くなりすぎると、価格競争が発生し、利益が圧迫されるため、その影響の考慮も必要になります。

同様に、仕入れ先の交渉力が強いと、コスト増加に繋がる可能性があるので、適切な取引条件を見極めることも大切です。

分析をうまく活用できると、自社を取り巻く市場環境を深く理解し、競争力のある戦略を立てられます。

4C分析

競争の激しい市場で顧客に選ばれるためには、企業目線ではなく顧客目線で商品やサービスを見つめ直すことが重要です。そのために役立つのが「4C分析」です。このフレームワークを活用することで、顧客の視点から自社の商品やサービスの魅力や課題を明確にできるからです。その結果、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。

主に、以下の4つの要素を元に分析を行います。

  1. 1.顧客価値(Customer Value)
  2. 2.コスト(Customer Cost)
  3. 3.利便性(Convenience)
  4. 4.コミュニケーション(Communication)

 

商品やサービスが持つ機能や品質だけでなく、ブランドイメージやデザイン性など、顧客にとっての価値全般のことです。また、コストとは商品の価格だけでなく、購入にかかる手間や心理的負担まで含めた要素を意味します。

利便性とはECサイトの使いやすさや支払い方法の選択肢、商品の入手しやすさなどのことです。コミュニケーションの要素では、企業と顧客がどのように情報を共有し、関係を築いているのかを分析します。例えば、SNSの活用やイベントの実施、カスタマーサポートの充実などが該当します。

4C分析を活用することで、自社の商品やサービスがどのように顧客に価値を提供しているのかを客観的に見直すことが可能です。

まとめ

様々なフレームワークを活用することで、より効果的な競合調査が可能になります。バリューチェーン分析やSWOT分析、5フォース分析、4C分析などを適切に組み合わせることで、自社の強みや競争環境を明確にし、戦略を最適化することが可能です。この記事を参考に、自社に合ったフレームワークを活用してみましょう。

タカヨシでは、企業の競合調査や戦略立案のサポートを承っています。ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

 

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