
企業のマーケティング手法として、注目を集めている「SNSキャンペーン」。
プレゼント企画や投票キャンペーンなどを通じて、フォロワーを増やしたり、商品・サービスの認知度を高めたりと、様々な目的で活用されています。
とはいえ、「SNSキャンペーンのやり方がわからない」「自社でやって効果が出るのか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SNSキャンペーンを実施する目的やメリット、具体的な手順から成功事例、運用時の注意点までをわかりやすく解説します。
これからSNSキャンペーンに取り組みたいと考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
SNSを活用したキャンペーンは、今や多くの企業が取り入れているマーケティング手法のひとつです。
ですが、「なぜSNSキャンペーンを行うのか?」という目的をしっかり理解していないと、取り組みの効果が薄れます。
ここでは、SNSキャンペーンを実施する主な2つの目的について、解説します。
SNSキャンペーンの1つ目の目的は、フォロワーを増やし、ブランドの認知を広げることです。
フォロワーが多くなればなるほど、企業の投稿がたくさんの人の目に触れやすくなります。その結果、商品やサービスに関する情報が広がりやすくなり、ブランドを知らない人たちにもアピールできます。
また、キャンペーンでは「特定のハッシュタグ」を使って投稿してもらう方法もあります。このような仕組みを使うと、参加者のフォロワーにも情報が届き、間接的に多くのユーザーにブランドの存在を知らせられます。
2つ目の目的は、新商品やサービスの魅力を多くの人に伝え、プロモーション効果を高めることです。
SNSを使えば、写真や文章で商品をわかりやすく紹介でき、たくさんの人に商品やサービスを見てもらえます。
例えば、新しい商品を紹介するフォトコンテストを開いて、「その商品を使った写真を投稿してください」と呼びかけると、参加者が楽しみながら宣伝に協力してくれます。
また、商品に関するクイズをSNS上で行うことで、遊び感覚で商品の情報を覚えてもらうきっかけに繋げることも可能です。
ただ広告を見せるよりも記憶に残りやすく、興味を持ってもらえる可能性が高くなる点が特徴です。
新商品の知名度がアップすると、売上アップのチャンスも広がります。
企業がSNSキャンペーンを実施するメリットは次の通りです。
ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
SNSキャンペーンは、少ない費用で多くの人に情報を届けられる、コストパフォーマンスの高い方法です。
SNSの利用自体が無料であり、投稿や拡散にも大きなお金はかかりません。テレビCMや新聞広告のように高い掲載料が必要な手段と比べて、SNSではアカウントを作って投稿するだけで、多くのユーザーに情報を広められます。
また、共感される内容の投稿は、ユーザー自身がシェアしてくれることがあります。この「拡散の力」によって、企業がかける時間やお金が少なくても、大きな宣伝効果を得ることが可能です。
限られた予算で成果を狙える手法として、企業にとって魅力的なマーケティング方法と言えます。
SNSキャンペーンは、ハッシュタグを使うことで多くの人に情報を広げやすくなります。
「#新商品キャンペーン」というハッシュタグをつけて投稿してもらえば、そのタグで検索するだけで、他の人の投稿も簡単に見れます。
この仕組みを使えば、キャンペーンに参加した人の投稿がほかのユーザーの目に留まりやすくなり、自然と情報を広げることが可能です。
また、企業側もどれくらいの人が参加したか、どんな内容が投稿されているかをすぐに確認できるため、キャンペーンの効果を数字で把握しやすくなります。
ユーザー参加型のSNSキャンペーンは、ユーザーとの繋がりを深める効果があります。
キャンペーンに参加することで、ユーザーが自分ごとのように感じ、企業やブランドへの関心が高まるからです。
フォロワーが投稿をリツイートするだけで応募できるプレゼント企画や、商品を使った写真を投稿してもらうフォトコンテストなどがあります。形式によっては、参加のハードルが低く、誰でも気軽に関われることが特徴です。
さらに、クイズやアンケートを通じて楽しみながら商品やサービスについて知ってもらうこともできます。このような仕組みは、ユーザーの興味を引くだけでなく、企業側にとってもファンを増やすチャンスです。
以下では、SNSキャンペーンの種類と成功事例について紹介します。効果的なプロモーションのヒントを得たい方は、ぜひ参考にしてみてください。
フォロー&リツイートキャンペーンは、少ない準備で大きな効果が見込める手法です。ユーザーにとって参加が簡単で、企業にとっては拡散力とアカウントの成長を同時に狙えます。
ユーザーが企業のX(旧Twitter)アカウントをフォローし、指定された投稿をリツイートするだけで、プレゼントが当たるチャンスが得られる仕組みです。
短期間でフォロワーを増やせ、投稿内容がリツイートされることで、一気に情報が広がります。
また、運営側の準備も比較的シンプルで、投稿の作成と景品の準備ができればすぐに始められる点も魅力です。
実際に多くの企業がこの手法を活用し、新商品の宣伝やイベント告知などに成功しています。
キャンペーン実施期間 | 2025年4月9日(水)〜4月29日(火)23:59まで |
参加条件 |
①伊勢丹新宿公式アカウント(@isetanshinjuku)をフォロー |
プレゼント内容 | <ラ・トランクリネット>&<ル・コントワール・ド・マチルド>&<メゾン・ペルハン>フランスマルシェセット(5万円相当) |
当選者数 | 1名 |
リツイート数 | 開始3日時点:8,900回 |
いいねの数 | 開始3日時点:2,900件 |
リプライ数 | 開始3日時点:186件 |
ハッシュタグ投稿キャンペーンは、認知拡大や購買促進に繋がる手法です。ユーザーが自分のアカウントから投稿することで、そのフォロワーにも自然と情報を広げます。
例えば「#おすすめ商品キャンペーン」のようなハッシュタグを指定して、ユーザーに商品やサービスに関する意見や感想を投稿してもらう仕組みが一般的です。
この方法の魅力は、SNSアカウントを持っていれば誰でも簡単に参加できる点と、投稿が一覧で見られる検索性の高さにあります。
企業側にとっては、リアルな声を集められるだけでなく、キャンペーンの拡散力や効果をハッシュタグ経由で把握しやすくなる点もメリットです。
キャンペーン実施期間 |
2025年3月24日(月)〜4月7日(月)23:59まで |
参加条件 |
①PostPet(@@PostPetPress) |
プレゼント内容 | QUOカードPay500円分 |
当選者数 | 100名 |
リツイート数 | 3,400回 |
いいねの数 | 1,200件 |
リプライ数 | 903件 |
アンケート・投票型キャンペーンは、商品やサービスの認知度向上とマーケティング効果の両方を狙える施策です。
ユーザーが好きな商品に投票したり、アンケートに回答したりする中で、ブランドへの関心が高まります。
例えば「人気No.1の味を決めよう!」という投票をSNSや専用サイトで実施すれば、消費者は楽しく参加しながら商品を知ることができます。
このキャンペーンの種類は主に、「オープン」と「クローズド」の2つです。
オープンキャンペーンは、商品を購入しなくても参加できるため、新規顧客を集めやすいのが特徴です。アンケートやクイズに答えるだけで応募が完了し、抽選で特典がもらえることもあります。
クローズドキャンペーンは、対象商品の購入が参加条件です。商品に付属したQRコードやシリアルナンバーを使って投票できる仕組みで、リピーターの増加や販売促進に繋がります。
キャンペーン実施期間 | 2024年9月18日(水)〜9月24日(火) |
参加条件 |
①積水化学工業株式会社【公式】(@SEKISUI_jp)をフォロー |
プレゼント内容 | Amazonギフト2000円分 |
当選者数 | 100名 |
リツイート数 | 7,500回 |
いいねの数 | 2,100件 |
リプライ数 | 205件 |
ユーザー生成コンテンツ(UGC)とは、SNSの投稿や口コミ、レビューなど、ユーザー自身が作成・発信したコンテンツを指します。
このキャンペーンでは、ユーザーに写真や動画、レビュー投稿などをSNSでシェアしてもらい、それを企業側が公式アカウントや広告などに活用する点が特徴です。
UGCには「共感」や「信頼」を生み出す力があるため、広告よりも高い影響力があります。
企業にとっては、商品に対するリアルな反応を知る手がかりにもなり、マーケティングの質を高めることにも繋がります。
キャンペーン実施期間 | 2023年2月3日(金)〜2月12日(日) |
参加条件 |
①西武秋田店(@seibu_akita)をフォロー |
プレゼント内容 | 選べる国産和牛カタログ 健勝 |
当選者数 | 1名 |
リツイート数 | 325回 |
いいねの数 | 95件 |
リプライ数 | 12件 |
ここからは、SNSキャンペーンを実施する際の具体的な進め方や手順について解説します。
SNSキャンペーンを行う場合、最初に「なぜやるのか」をはっきりさせることが大切です。
目的やターゲットがあいまいなままだと、企画や使うSNS、伝える内容がちぐはぐになります。
商品を広く知ってもらいたいなら認知拡大、新しいお客さまを集めたいなら新規獲得、リピーターを増やしたいなら再利用促進など、目的に応じて進め方が大きく変わるからです。
また、ターゲットを明確にすることも重要です。年齢や性別、趣味などを具体的に設定する「ペルソナ」を考えることで、どんな内容が響くのか、どのSNSを使うべきかが見えてきます。
例えば、若年層向けならInstagramやTikTok、中高年層向けならFacebookやX(旧Twitter)といったように、使うプラットフォームも目的に合わせて選びやすくなります。
最初のステップで「目的」と「ターゲット」をしっかり定めて、成功するキャンペーンづくりの土台としましょう。
続いて、キャンペーンの目的に合った内容を企画します。企画時には、特に以下を検討しましょう。
さらに、特設ページや問い合わせフォームの準備が必要な場合は、あらかじめ計画に入れておくこともポイントです。
また、スムーズな運用のためには、キャンペーン専用ツールの導入もおすすめです。集計や抽選、応募管理などの手間を減らし、ミスも防げます。
キャンペーンの内容が決まったら、参加条件と魅力的なプレゼントを用意します。
参加条件はなるべくシンプルにし、「フォロー&リツイート」や「指定のハッシュタグをつけて投稿」といった、誰でも気軽にできる内容が効果的です。
プレゼントについては、ターゲットに合わせて選ぶことがポイントです。
若者がターゲットなら人気のデジタルギフトや話題の商品、主婦層なら日用品や食品の詰め合わせなど、興味を持たれやすい賞品を用意しましょう。
参加条件とプレゼントが決まったら、事前告知・キャンペーンページの作成に移ります。
キャンペーン開始直前にいきなり投稿するのではなく、数日前から「もうすぐキャンペーンが始まります!」とSNSで予告することで、ユーザーの期待感を高めることが可能です。
ユーザーは迷わず参加でき、問い合わせやトラブルも減らせます。
キャンペーンページには、参加方法や応募期間、注意事項、プレゼント内容などをひと目でわかりやすく伝えることが大切です。
併せて、キャンペーンページ内に問い合わせフォームを設けることで、参加者からの質問にもすばやく対応でき、信頼感のある運営につながります。
事前に運用と投稿のスケジュールを決めておくことも重要です。
スケジュールを設計しておけば、いつ・どんな内容を配信するかが明確になり、キャンペーン全体を計画的に進められます。
例えば、以下のように、段階ごとに必要な投稿があります。
これらをあらかじめ時系列で整理し、スケジュール表にしておくと、担当者間の連携も取りやすくなります。
また、投稿に使う画像やテキストも事前に用意しておくことも大切です。投稿内容とタイミングをきちんと管理することで、情報の見落としを防ぎ、ユーザーの関心を引きつけるキャンペーン運営ができます。
運用・投稿スケジュールの設計が決まったら、当選者の抽選・発表を行いましょう。
その際、抽選方法や発表の仕方に不透明さがあると、参加者の不満やトラブルの原因になります。前もって「いつ・どうやって・どこで」当選を知らせるかを明確にしておくことが大切です。
例えば、ランダム抽選ツールを活用すれば、公平性を保ちながら効率的に当選者を選べます。
投稿や応募数が多いキャンペーンでは、手作業での管理が難しいため、専用ツールの導入がおすすめです。
また、当選者にはDM(ダイレクトメッセージ)で個別に連絡するケースが一般的ですが、公式アカウントでの発表と合わせて行うと、透明性が高まり参加者も安心できます。
さらに、発表時には注意事項や賞品の受け取り方法などもわかりやすく伝えることが重要です。誤解やトラブルを避けるためにも、丁寧な対応を心がけましょう。
SNSキャンペーンの終了後には、効果測定とレポート作成を行いましょう。最初に決めた目的の達成度を確認し、今後の運用改善に役立てるためです。
単に「うまくいった・いかなかった」で終わらせるのではなく、数値をもとに振り返ることで、次回の施策がより効果的になります。
例えば、X(旧Twitter)では、フォロワー数、表示回数(インプレッション数)、リンクのクリック数、動画の再生数などが確認できます。
また、「トップツイート」や投稿ごとのパフォーマンスを時系列で追える機能を使えば、どのタイミングで効果が出たのかが一目でわかります。
得られた結果はレポートとしてまとめ、社内で共有することもポイントです。チーム全体で改善点を把握し、次のキャンペーンやSNS運用に活かしやすくなります。
SNSキャンペーンを行う際には、以下の課題とデメリットに注意する必要があります。
それぞれの注意点を詳しく説明します。
SNSキャンペーンを自社で運営する場合、想像以上に多くの手間がかかることが課題です。
キャンペーンは企画から実施、そして終了後のフォローまで多くの工程があり、それぞれに時間と労力が必要になるからです。
例えば、自社でSNSキャンペーンを全て行う場合、以下の業務を全て社内で対応する必要があります。
また、参加者からの問い合わせやトラブル対応など、イレギュラーな対応も発生しやすいため、担当者の負担が想定以上に大きくなる場合もあります。
特に少人数で運用している企業にとっては、通常業務と並行して進めることが難しくなるケースもあるでしょう。
SNSキャンペーンは効果的な手法ですが、運用面ではかなりの工数がかかるため、事前に体制を整えておくことが重要です。
SNSキャンペーンを行う際には、炎上リスクの管理が必要です。SNSでは好意的な内容だけでなく、少しのミスや不適切な発言も一気に拡散されてしまうからです。
例えば、キャンペーン投稿の表現が誰かを傷つける内容だった場合、批判が殺到し、企業全体のイメージが悪化してしまうおそれがあります。
実際、過去にはSNS上の炎上がきっかけで、企業の公式アカウントが閉鎖されたり、ブランド価値が大きく下がった例もあります。たった一度の投稿でも、影響が大きいため、企画の段階から慎重なリスクの見極めが必要です
そのためには、投稿前に内容をチェックする体制を整えることや、社内で共有する「運用ポリシー(ガイドライン)」を作っておくことが効果的です。全ての関係者が同じ基準で判断できるようにしておけば、トラブルの予防につながります。
SNSキャンペーンで確実に成果を出すには、専門的な知識とスキルが求められます。
SNSのアルゴリズムやユーザーの行動パターンを理解し、戦略的に投稿を行わなければ、多くの人に届かない可能性があるからです。
投稿するタイミングや文言の工夫、ターゲット層に合ったキャンペーンの企画、効果測定の方法など、細かな調整が結果に大きく影響します。
また、SNSには日々変化するトレンドや仕様変更があるため、それに対応するスピード感も重要です。自社内に知識がある人材がいない場合、思ったような効果が出ず、時間や労力が無駄になってしまう可能性もあります。
さらに、効果的なハッシュタグの使い方や、広告との組み合わせ、KPIの設定と分析方法なども理解しておく必要があります。これらは経験や専門スキルがないと、うまく扱うのが難しい部分です。
SNSキャンペーンを成果に繋げるには、ただ投稿するだけではなく、経験に根差した知識と戦略が欠かせません。
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