
食品のパッケージデザインと一括りに言っても、使用すべき素材や販路などは多種多様です。そのため、食品のパッケージデザインを依頼する際に検討すべきポイントは随時アップデートされています。
また、成果の出るブランディング構築には、高い専門性をもつ制作会社への依頼が欠かせません。
しかし、いざパッケージデザイン制作を外注しようと思っても、
「どの会社に依頼したら良いかわからない」
「何を基準に委託先を選べばいいかわからない」
と、悩む方は多いのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、創業100年越えの実績・ノウハウをもつ「タカヨシ」が、企業のご担当者様に向けて、パッケージデザインを成功へ導くコツと制作会社選びのポイントをご紹介します。
この記事を読むと、パッケージデザインを成功させるために検討すべきことや、制作を依頼する際の軸が明確になります。
ぜひ最後までご一読ください。
そもそもパッケージデザインの成功とはなんでしょうか?
食品のパッケージデザインの成功は、単におしゃれで洗練されたデザインとは限りません。
例えば、
・グラフィックや写真・材質・形状・表面加工により、商品に付加価値が生まれ、顧客の購買意欲が高まる
・売上の増加やパッケージデザインをきっかけに、商品認知の向上をはじめとした効果・成果があらわれる
といった状態も、食品パッケージデザインがもたらす「成功」と言えます。
では、パッケージデザインを成功に導くには具体的にどうすればよいのでしょうか。
食品のパッケージデザインを成功に導くためのコツは、
①パッケージの基本的な役割を理解すること
②コンセプトやターゲットを明確にすること
③トレンドや環境対応の観点が意識されていること
④販路を考慮したデザインにすること
以上の4つです。
食品関係の販促担当者が知っておきたいこの4つのコツについて、具体的に解説していきます。
まず、パッケージが持つ基本的な役割を理解しておきましょう。
―商品を包む・保護する
食品に限らずパッケージには商品を包む・保護するという基本的な役割があります。
商品に傷がつかないように耐久性のある材質を選んだり、商品が繊細な場合は、緩衝材のような役割を担うこともあります。
また、食品のパッケージをデザインする際は、常温・冷蔵・冷凍等、保存環境によって材質や表面加工の適性・条件が異なります。最低限の知識・注意点を把握したうえで制作会社へ依頼しましょう。
以下のコラムでは、ラベル・シールの基本的な材質・用紙・糊の基分類についてご紹介しています。併せてご覧ください。
高級感のあるイメージ・オーガニックなイメージ等、後ほど解説していく商品のコンセプトやターゲットを正しく・魅力的に伝え、商品に付加価値を与えることも重要な役割です。
例えば、高価格帯で上質な印象を持たせたい商品であれば、パッケージデザインも高級感のある素材・デザイン・加工であるべきです。
商品のコンセプトやターゲットが明確で、期待感が高まるようなパッケージデザインであることは、商品購入の後押しにつながります。
パッケージデザインには、ブランドや商品のコンセプトを伝えるだけでなく、企業の姿勢を伝えるためのツールとしての役割もあります。
例えば全商品一貫して環境対応印刷が施されていれば、環境活動に企業として腰を据えて取り組んでいることが自然と消費者に伝わでしょう。
また、メディアを介して情報発信した際に、実際目にしている商品からの情報とメディアからの情報がリンクして企業に対する認識が明確になります。
商品ごとのパッケージと捉えず、自社の姿勢を映すツールとして活用できる点がないか、こちらもぜひご確認ください。
食品のパッケージデザインを成功に導く2つ目のコツは、コンセプトやターゲットの明確化です。
商品の企画段階でコンセプトやターゲットは選定されているかと思いますが、パッケージデザインにおいてこれらが明確であることは商品に一貫性を持たせ分かりやすい訴求へとつながるため、できるだけ明確な設定を行いましょう。
特に食品は消費者の生活に密接な商材のため、ターゲットとなる消費者の年代やライフスタイル、商品の利用シーン、利用することでどんなメリットが得られるのか等、詳細まで設定することでデザインへの落とし込みがしやすく、消費者に刺さりやすいものへとなっていきます。
トレンドを考慮したデザインにすることも、魅力的なパッケージデザインに導く一つのコツです。
SNSの普及により、パッケージデザインに求められるトレンドが移り変わる速度はますます上がっています。
かつてはとにかく“映える”見た目が拡散されていた時代でした。しかし今は、ライフスタイルに溶け込むようなパッケージデザインが好まれています。
購入後すぐに捨てられず、そのまま部屋に飾りたくなるようなパッケージデザインを意識したり、時代に合わせて消費者に求められているデザインの方向性を見定める必要があるでしょう。
最近は人種や性別、年齢、体格等に配慮したユニバーサルデザインの事例も出てきています。多くの人々が分け隔てなくその商品を手に取れるように、商品本体だけでなく、パッケージデザインもユニバーサルデザインへと切り替えることも一つの検討ポイントでしょう。
また、環境に対応したパッケージデザインであるかも重要なポイントです。
「SDGs」「サステナブル」といったワードが一般消費者に浸透しつつある今、環境に配慮された資材・デザインであるかという観点も無視できません。
パッケージの原料調達段階/製造段階/廃棄・リサイクル段階のいずれかにおいて、自社で取り組めるポイントがないか検討しましょう。
商品の販路がどこになるかをつかんでおくことも、パッケージデザインを成功に導くために大切な視点です。
小売店や自社店舗をはじめ、近年はおこもり需要が増えたことで、ECサイトのみで販売されるケースも増えてきましたが、こうした販路によってパッケージデザインに必要な要素も変わってきます。
例えば、ECサイトのみで販売される商品の場合、商品名や特徴・内容量などの情報が同じ画面にテキストで表示されるため、それらの情報はサイト上から読み取れます。
店頭で商品を見定められるわけではないため、無理に目立たせてデザインに入れる必要はありません。
反対に、手に取らないと分からないような繊細な表面加工は、ECサイトの画像でしか判断できない商品のパッケージデザインとしては少々もったいないかもしれません。
商品の販路も意識して、パッケージ上に掲載するデザインの精査を行いましょう。
優れたパッケージデザインの制作には、商品コンセプトや企業イメージなど様々な要素が考慮されています。
そのため、パッケージデザインで成果をあげるには知識・経験・スキルだけでなく、商品や企業の深い理解も必要です。
パッケージデザインを依頼する際には、自社商品のマーケティング戦略やブランディング戦略について、委託先に熟知してもらわなければなりません。
一般的なパッケージデザインに関することだけでなく、自社に特化した深い部分で協働できる委託先を探す必要があるため、会社選びは何よりも重要なのです。
食品のパッケージデザイン会社選びで、注目したいポイントはこちらの4つ。
①食品パッケージデザインを専門としているか
②業界で豊富な実績と経験があるか
③情報収集力があるか
④ブランディングのトータル提案ができるか
それぞれみていきましょう。
①食品パッケージデザインを専門としているか
1つ目のポイントは、食品パッケージデザイン制作に関して、専門性のある会社を選ぶことです。「パッケージデザイン会社」と言っても、企業によって得意とする専門分野は異なります。
特に立体的なパッケージ制作では、パンフレットやポスターなどの平面的なものをデザインするのとは異なる、特殊な技術が必要です。
制作会社によっては、パッケージデザインはあくまで副次的な位置づけで、主業務は他にあるところも少なくありません。
パッケージデザインの会社を選ぶ際には、その企業がもつ専門知識や制作実績に着目しましょう。
②業界で豊富な経験と実績があるか
2つ目のポイントは、パッケージデザイン全般に関して、豊富な経験と実績があることです。
同じジャンルの商品でも、ブランドの方向性やマーケティング戦略などによって、デザインの方向性は異なります。
例えば、美容化粧品やお菓子、医薬品、雑貨などの各種(業種)では、それぞれ立案すべきマーケティングプランやプロモーション方法、アイデアなどは当然違うでしょう。
また、委託先となる株式会社(運営会社)やメーカー、事務所などがもつノウハウによっても、コンサルティングやコミュニケーションの力量は変わってきます。
ブランドの世界観を醸成し、かつ消費者がブランドに抱くイメージをプラスにするには、一貫性のある戦略や、それを実施するための高度なノウハウが不可欠です。
その点、豊富な経験と実績のある会社は、マーケティング戦略や広告制作などの分野に関して、多様な選択肢を持っています。
必然的に、豊富な選択肢のなかから、自社の方向性に近いデザイン案を提案してもらえる可能性も高くなるでしょう。
したがって、食品パッケージデザインを依頼する場合には、制作するパッケージのコンセプトに合ったデザインが得意な会社を選ぶことが大切です。
3つ目のポイントは、情報収集力がある依頼先を選ぶことです。
売れるパッケージデザインには、的確な市場調査や情報収集が欠かせません。
例えばマーケティング戦略を考える際、競合製品と比較した際の製品力や価格など、マーケットにおける自社商品の位置づけの理解が不可欠です。
効果的なデザインを制作するには、依頼者側からの情報提供だけでは足りません。制作会社自らのリサーチ力や分析力も、重要な要素になります。
4つ目のポイントはパッケージデザインだけでなく、会社のブランディングをトータルで提案ができる会社を選ぶことです。
例えば、レベルの高い制作会社に依頼すると、パッケージデザインだけでなく商品のキャッチコピーも含めた、総合的な施策を講じてくれる場合もあります。
パッケージデザインは商品だけでなく、企業全体のブランドイメージに配慮できなければいけません。
成果につながるパッケージデザインを作るには、パンフレットからWebまで、幅広い媒体で一貫した対応ができる会社への依頼が重要です。
パッケージデザインを依頼できる会社は、大きく分けると次の4つです。
・デザイン制作会社
・印刷会社
・広告会社・代理店
・クラウドソーシングサービス
それぞれの特徴を解説します。
デザイン制作会社では、紙媒体とWebの両方の媒体で、幅広く対応できます。
このようにデザイン制作会社ではプロダクトデザインだけでなく、デザイン全般を専門業務として請け負っています。
会社によって、依頼できる範囲やジャンルが異なる点が特徴です。
大きいデザイン制作会社の場合、パッケージの外観(デザイン)面だけでなく、パッケージデザイン専門のコンサルタントとして、デザイン関連の質の高い専門知識と経験をもつ人材への相談もできます。
パッケージデザインの種類によっては、印刷会社への依頼も可能です。
実際にパッケージの製造まで行う印刷会社にデザインを依頼することには下記のメリットがあります。
ひとつは、企画当初からパッケージの素材や形状、また印刷形式を十分に考慮したデザインができることです。
また、デザインと印刷が一貫工程になっている場合、データ入稿時のトラブルなども少なく、発注側の手間やリードタイムが削減できることも多いでしょう。
もうひとつは、紙媒体のデザイン制作と印刷をまとめて依頼できるため、チラシやポスターなどを大量印刷したい場合に適しているという点です。
例えばグラフィックデザインでは、お客様独自の個性やシーズン、エリアなどに合わせたデジタルプリントを行う企業もあります。
具体的な納品内容は次のとおり。
・少量限定生産商品
・キャンペーンやサンプリング
・周年行事やイベント
・キャラクターや企業コラボ商品
・地域限定や店舗限定商品
・季節や催事限定の商品
印刷会社では多くの場合、社内に専属のデザイナーやコピーライター、グラフィックデザイナーなどのクリエイターがいる点が特徴です。
完全にオリジナルなデザインを行う印刷会社もあれば、社外のデザイナーに委託する企業もあります。
広告代理店・代理店は、広告全般のデザイン制作・広告運用・運用に伴うサポートや営業を行います。
広告を掲載するメディア(広告主)と広告を出稿したい企業(広告の掲載主)をつなぐ仲介役が広告会社・代理店です。
みなさんのなかには、「広告会社・代理店」と聞くと、デザインには直接的に関わっていないイメージをもっている方もいるかもしれません。
しかし広告・代理店によっては、広告を出すだけでなく、ブランドのマーケティング戦略全体に関与し、その一環としてパッケージデザインも提供できます。
例えば大手企業ではデザインや撮影、コピーライティングなどトータルでカバーしていることも少なくありません。
クライアントからヒアリングした商品コンセプトをベースに、広告やパッケージのデザインを決めた後、デザイナーやカメラマンなどに伝えて制作まで、トータルでカバーする企業もあります。
このようなトータルでサポートが可能な外部に委託すれば、ブランドのポジショニングやコミュニケーション戦略を理解し、それに基づいた魅力的なパッケージデザインが実現可能です。
クラウドソーシングサービスとは、依頼主と受注者がオンラインでつながって、仕事を受発注できる仕組みです。
個人やフリーランスで活動する人材と仕事を依頼したい企業が、オンラインでつながり、非対面で受発注できます。案件の管理は人物の検索から契約〜報酬の支払いまで、システム上で一括管理が可能です。
例えばパッケージデザインの場合、依頼方法の種類は主に以下の3つ。
クラウドソーシングサービスには、フリーランスのデザイナーも多く在籍しています。
フリーランスのデザイナーは、個人として独立して仕事を受けるプロフェッショナルです。
デザインの提案はもちろん、市場動向や最新のトレンド動向に配慮しながら、クライアントに戦略的なアドバイスを提供してくれる場合もあります。
費用相場は案件によって異なります。しかし、一般的にフリーランスデザイナーへの依頼費用は、デザイン制作会社よりも安く抑えられる傾向があります。
実際にデザインを制作者へ依頼しようとすると、イメージが伝わりきらず修正回数が増えてしまったり、環境に配慮した包材や、商品を魅力的にみせるための知識が足りず悩まれるケースもあるかと思います。
自社のデザイナーや制作会社に依頼する際は、なるべく自分と制作者のイメージに差がないよう、すり合わせを丁寧に行いましょう。
明確なデザインイメージがある場合は、参考にしたいパッケージデザインの画像をいくつか共有しておくことをおすすめします。
あまり引き出しがない領域に関しては、無理に一つの方向性に決めつけるのは避けた方が無難です。「要件に沿ったデザインや加工をいくつか提案をしてほしい」とざっくり依頼し、制作側に委ねましょう。
食品パッケージデザイン制作なら、「タカヨシ」におまかせください。
ここでは、企業担当者様に向けて、タカヨシの強みとなるメリットを解説します。
パッケージデザインを外注する過程で、販売目的や商品コンセプトの軸がぶれるケースは少なくありません。
しかしタカヨシには一貫性・トレンド感度・視認性の高いデザインで販促ツールをトータルで支援してきた豊富な実績があります。
パッケージデザインアワードで受賞歴もある、高いクリエイティブ力も自慢です。
食品のパッケージデザインだけでなく、必要に応じて什器や店頭POPのホワイトダミーやテストサンプルも作成いたします。
さらに、「このブランドならではのAR施策」「この商品ならではのSNSキャンペーン」など、プラスのご提案も可能です。
お客様の商品の魅力を最大限に伝えるお手伝いをいたします。
店頭POP・什器・デジタルサイネージ・ノベルティなど、お客様の商品の世界観を崩さずに、店舗販促に関わるすべてのツールをトータルでお任せいただけます。
最後にタカヨシがこれまで手掛けた、食品パッケージデザインの事例をご紹介します。
マルハニチロ株式会社メディケア営業部 様
「おいしさ満天食堂」シリーズ パッケージデザイン
マルハニチロ様は水産物の加工・販売や冷凍食品の国内有数メーカーです。
タカヨシは、ペースト状の魚メニューをシリーズ商品として打ち出した介護食、「おいしさ満天食堂」シリーズのパッケージデザインを担当。
「楽しさ」を感じる商品にしたいというご要望を中心に、中身のわかりやすさや安心して食べさせられると思える信頼感を大切にしたデザインを提案し、納品後はクライアント様や取り扱っていただいたバイヤー様からもご好評いただいております。
さらに、パッケージのデザイン性や創造性を競う「日本パッケージデザイン2021」で入選いたしました。
また、店頭用の紙什器やスイングPOPなど多数の販促ツールの制作、さらには特設サイトのデザイン制作まで担当し、パッケージデザインに止まらず、シリーズに深く関わらせていただいております。
株式会社小嶋屋総本店 様
伴走型ブランディング支援
小嶋屋総本店様は、新潟名物「へぎそば」のトップブランドとして「フノリ(海藻)つなぎ」「へぎそば」の文化を継承し全国に発信している企業です。
小嶋屋総本店としてのブランド力を高めていきたいとのご要望で、タカヨシはブランディングを担当いたしました。
VIを一新し、それをベースにパッケージデザイン・販促ツールを制作したり、販促・DM施策の支援など、単なるリニューアル・デザイン制作ではない、差別化・顧客のファン化へつなげるための長期的な伴走型支援をさせていただいております。
また、高級乾麺「手繰りへぎそば」が「 NIPPON OMIYAGE AWARD 」会長賞を受賞された際に、蕎麦の乾麺袋では珍しい黒と金のツートンカラーの小袋が高評価を獲得し、クリエイティブに対する評価もいただきました。
弥彦村役場農業振興課 様
「伊彌彦米」ブランディング支援
生活協同組合 あいコープみやぎ 様
あいコープみやぎ様のプライベートブランド「あいシテル」
「あいシテル」は2020年4月に誕生した、あいコープみやぎ様のプライベートブランドです。
タカヨシはこの新しいブランド名「あいシテル」のロゴマークやパッケージデザインの作成を担当しました。
今回は、下記の食品パッケージデザインを成功に導くコツ
・食品パッケージの役割を理解する
・コンセプトやターゲットを明確にする
・トレンドや環境対応の観点を意識する
・販路を考慮したデザインにする
・食品パッケージデザインを専門としていること
・業界で豊富な経験と知識があること
・情報収集力があること
・ブランドのトータル提案ができること
それぞれ4つずつ解説しました。
ただし、今回ご紹介した「4つのコツ・ポイント」はあくまでデザインの方向性決めや会社選びのベースとなる要素に過ぎません。
時勢や食品パッケージデザインによって、検討すべき点や、必要な予算や料金相場などがその都度変わる点にご注意ください。
どのようなパッケージデザインにするか検討したり、自社にあった外注先を探す際は、ぜひこの記事でご紹介した内容を参考にしながら、進めてみてくださいね。
タカヨシでは自社にデザイナーや印刷工場を保有しており、デザインはもちろん、材質や表面加工について等、パッケージデザインに関するあらゆる知見を持ち合わせています。
まだ要望がぼんやりとしている段階でも、丁寧にヒアリングさせていただきますので、安心してご依頼いただけます。お気軽にお問い合わせください。