
食品・日本酒・ワイン等の飲料、日用品や玩具まで、私たちの身の回りには様々なラベル・シールが存在しています。
自社商品においても購買につながるオリジナルラベルを制作したいけど
手に取ってもらうラベルにするには何がポイントなのか、
制作会社に依頼する際にはどんなことを知っておくのが良いか等
分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ユーザーに手に取ってもらうためのラベルデザインのポイントや、素材・加工の選び方について解説していきます。
手に取ってもらえるラベルデザインとは、具体的にどのようなものでしょうか。
早速ポイントを解説していきます。
ラベルは通常、商品やパッケージの一部に貼られるケースが多く、限られた面積の中で商品の世界観を伝えることが求められるため、配色やフォント等デザインの要素一つひとつが重要な役割を担っています。
また、ラベルを貼り付ける対象となる商品やパッケージの色・素材との一体感も大切です。
例えば日本酒のラベルの場合、貼り付ける瓶が透明か色付きかによっても印象は変わりますよね。
ラベルデザイン単体ではなく、商品全体に視野を広げられているかを意識しましょう。
素材や表面加工も非常に大切です。和紙のような素材であれば商品に温もりや重厚感がプラスされますし、箔押し加工を施せばきらりと光って華やかな印象になります。
同じデザインでも素材や加工によってユーザーに伝わる印象が変わるため、素材・加工についても併せて検討しましょう。
具体的な素材・加工については後ほど詳しく解説していきます。
トレンドに目が向けられたデザインかどうかもポイントです。
例えば、世界規模のトレンドとして「SDGs」「サステナブル」といったキーワードはぜひ押さえていただきたいです。ここ数年でユーザーの環境に対する意識は高まりつつあるため、環境に配慮した素材や印刷も手に取ってもらえるラベルデザインにおいて一つのポイントと言えるでしょう。
また、SNS・YouTubeで一般のユーザーによる情報発信が広く浸透している今、誰かに見せたくなるようなデザインであるか、という視点で見られていることも忘れずに。誰かに紹介したくなるような見た目・商品であれば、思わず手に取ってみたくなりますよね。
続いて、ラベルの種類についてご紹介します。
その前に、ラベルとひとくくりに言っても、「ラベル」「シール」「ステッカー」など、色々な呼ばれ方がありますよね。
実はそれぞれの言葉の境界はあいまいで、同じ製品に対して「ラベル」と呼ばれることもあれば、「シール」と呼ばれることもあります。
本記事ではそれぞれの製品・用途別に、なるべく一般的に呼ばれている言葉で解説していきたいと思います。
日本酒ラベル・ワインラベル・調味料ラベル・生活用品、工業製品等、様々な商品・パッケージに貼るラベルです。
商品のPRを目的としたラベルで、ワンポイントラベル、POPラベル(シール)とも呼ばれています。
ブランドロゴやキャラクターの形に合わせる等、自由な形で型抜きされたラベルシール。
1枚のシートに複数枚がセットになったハーフカットタイプと、キャラクターの形に合わせてカットされインパクトのあるダイカットタイプがあります。
今回はデザイン要素の高い販促ラベルの観点でご紹介していますが、
この他にも成分表示ラベル・注意事項等の表示ラベル・各種の業務用ラベル等、様々な用途でラベルは使用されています。
ここからは、実際にラベルをデザイン・依頼する際に把握しておきたい、ラベルの素材・利用シーン・加工別のポイントについて、具体的に解説していきます。
まずは、素材・用紙の種類について。
代表的な素材・用紙とその特徴・おすすめの利用シーン等解説します。
備品管理・バーコードから荷札まで非常に幅広い用途に用いられ比較的安価な紙。
色上質紙もあり、カラーバリエーションも豊富です。捺印・記入も可能。食品表示ラベル・荷札ラベル・品質管理用ラベル等の用途におすすめです。
上質紙の表面に白色顔料をコートした紙です。表面が艶やかで、上質に比べ高級感があり、商品ラベルなどに適しています。
発色が良いことも特徴。食品や化粧品ラベル・ステッカー等の用途におすすめです。
合成樹脂などを主原料とした紙状フィルムです。幅広い温度帯に対応し、筆記特性もあるなど、様々な用途に用いられています。
冷凍/冷蔵用途の食品ラベル・ドリンクラベル・工業用ラベル等、耐水・耐久性を要する利用シーンにおすすめです。
サーマルプリンター用の熱で黒く発色する薬品が表面に塗工されている感熱紙です。基材が上質紙、合成紙、光沢紙等のバリエーションがあります。ラベルプリンターで印字をする食品の品質表示ラベル等に使用されています。
ラベルで使用されることが多いツヤのある光沢紙です。キャストコートとも呼ばれ、印刷の仕上がりが非常に綺麗です。ラミネート加工とも相性が良く、デザイン要素の多いステッカーや販促ラベルにおすすめです。
和紙は大礼・きり・奉書・雲龍・草木染等幅広いバリエーションが存在する珍しいタック紙のひとつです。
和風デザインのお酒やお菓子用のラベルに最適です。
上質紙の表面にアルミ箔を貼り合わせた紙素材で、高級感があります。また、紙素材のため、比較的安価ですが、水に弱く、耐久性はありません。アパレルやお菓子の包装を留めるシール等に使われています。
PETフィルムの表面にアルミ蒸着を施したポリエステル系の素材で、高級感があります。ホイル紙と比べて、フィルム素材のため耐久性・耐水性・耐熱性に優れています。
PET素材で、透明・白があり様々な用途に使用されています。PET#25、PET#50が一般的ですが、用途によって最適な材質・厚みが異なります。透明PETは、印刷箇所だけを目立たせたり、パッケージの材質・透明感を損ないたくないときにおすすめです。
裏が透けないように、糊をネズミ色に加工塗布した訂正用の用紙です。
上質、アートタック、ミラコート合成紙などバリエーションがあります。価格訂正や商品仕様の変更時等に利用されています。
ラベルは使用する場所・用途に応じた糊の強さ(粘着度)を選ぶ必要があり、糊によって使いやすさ・貼りやすさ等が変わります。
代表的な糊の種類について解説していきます。
長期間貼付することに適した一般的な粘着剤です。
普通粘着とも呼ばれています。貼った後は常温で利用する商品ラベル・販促ラベル等に使用されています。
一般粘着では剥がれる心配がある環境で使用される粘着剤です。屋外用、金属用、ハム用、粗面用など様々なものがあります。
用途に応じて水溶系と溶剤系の2種類が使い分けられています。
一度貼った後、剥がしたラベルを再度貼る用途に適した粘着剤です。イベントなどで一定期間貼った後、剥がす用途におすすめ。
食器類や家電等、購入後に剥がす必要のあるシールなどにも使われています。
食品ラベルなどで、開封後に冷凍庫で保管するケースなどに使用します。業務用の冷凍庫などに入れる商品に貼るラベルの場合には、ユポなどの冷凍糊タイプが最適になります。
普通糊で剥がれてしまう場合や、一度剥がしたラベルを他の場所に再貼付けをする際に使用する糊です。
付箋やファンシー文具のシール等に使われています。
最後に、ラベルに耐久性や付加価値を与える表面加工について、詳しく解説していきます。
箔押しとは金箔・銀箔などの色箔を圧着する加工になります。商品に高級感やインパクトを与えたいときにおすすめ。
ニス加工は印刷物の表面を保護する目的と加工部分の質感を変えるために使われています。光沢のあるグロスニスと落ち着いたマットニスの2種類があり、仕上がりイメージに合わせ選ぶことができます。食品ラベルや日用品ラベル等幅広いラベルに使われています。
ロゴマークや絵柄などを凹凸で表現し、平面の一部が立体的になるエンボス加工。加工のみの凹凸表現や印刷との組み合わせ、箔押しとの組み合わせなど、表現は多種多様です。
ラベルの糊面にニスを印刷、もしくはフィルムを貼ることによって、部分的に粘着を無くす加工です。アテンションシール等に使用されています。糊殺し加工をする位置や面積は使用用途に応じて変更可能です。
印刷面の保護や紫外線による退色防止のために用いられるフィルムによる加工。質感はグロス・マットをはじめいくつかあり、工業用ラベルや日本酒ラベル等、ラベル全面の質感に特徴を持たせたい場合におすすめです。
ラベルを剥がしやすくするために切れ目(スリット)を入れる加工ですが、ラベルを台紙に付けたまま、ラベル部分に切れ目だけを入れる「表スリット」加工や、剥がし易いようにセパレーター側にだけ切れ目を入れる「裏スリット」加工があります。使用用途に合わせ複数のスリットを位置指定で入れることも可能。オリジナルの宛名ラベルや商品ラベル、大判ステッカーなどに使用されています。
ここまで、手に取ってもらえるラベルデザイン・ラベルの種類・素材や加工の種類等を具体的に解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
素材・粘着糊・加工については細かく項目が出てきましたが、
最初から適切な仕様を選定していこうとするとなかなか難しいかもしれません。
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