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2024/01/23

企業マーケティング担当者のためのインスタ運用のコツ

企業マーケティング担当者のためのインスタ運用のコツ

Instagram(以下、インスタ)をビジネスで活用する動きが広がっています。しかし同時に「効率的な運用方法がわからない」「ターゲットになかなかコンテンツが届かない」と悩むケースも増えているのではないでしょうか。

この記事では企業マーケティング担当者に向けて、インスタ運用のコツや注意点などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

インスタ運用がビジネスにおいて注目されている理由

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なぜインスタ運用がビジネスで注目されるようになったのでしょうか。その理由の一つに挙げられるのが「SNS利用の目的の変化」です。

近年、SNSは若者の交流の場としてだけでなく、それ以上に仕事や趣味などの情報収集に利用している人が多くなっています。

例えばICT総研の調査によると、SNSを使用する理由について「仕事や趣味などの情報収集目的」と答えた人は44%。対して、「知人同士の近況報告」を目的とした利用は37.1%と、SNSを情報収集のために利用する人が一番多いことが明らかになりました。

Meta社の調査によると、インスタのビジネスアカウントのフォロー率は80%、インスタ広告で関心を持つユーザーは50%と言われています。ユーザーはビジネスアカウントであっても、企業からの宣伝であっても、有益な情報であればフォローする可能性が高いのです。

SNSの利用目的の変化をきっかけに、コンテンツマーケティングのツールとしても、企業の間でインスタ運用が注目を集めています。

参考:2022年度SNS利用動向に関する調査|ICT総研Instagramの最新情報|Meta

企業がインスタを運用するメリット

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インスタ運用は企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で主なメリットを紹介します。

1.コストをかけずに始められる

インスタは無料でアカウントを作成できるため、参加自体は通常無料で始められる点がメリットです。アカウントの作成やプロフィールの設定、基本的な投稿なども無料で提供されています。

テレビCMや折り込みチラシ、Web広告などのプロモーション施策では多大なコストがかかります。このような有料広告はより多くの人に情報を届けられますが、インスタ運用では最初から有料機能を使用しなくても、プロモーションが可能です。

たとえば、オーガニックな方法でユーザーとのコミュニケーションを図りながら、自社の認知度アップを図れます。

定期的に質の高いコンテンツを提供できれば、フォロワーが増える可能性が高まるだけでなく、いいねやコメントのやり取りなどを通した、ユーザーとのコミュニケーションの促進も期待できるでしょう。

顧客から直接、感想やフィードバックを得る機会を得られるため、それを元に自社製品やサービスの改善につなげられます。

2.他のSNSよりユーザーのエンゲージメント率が高い

投稿に対するユーザーの反応は「エンゲージメント率」で示されます。たとえば、「いいね」「コメント」「保存」でエンゲージメント率は測定されます。

インスタ運用ではエンゲージメント率が高いほど、ユーザーが投稿に興味関心をもっているとわかります。

インスタは他のFacebookやX(旧Twitter)などのSNSと比較すると、エンゲージメント率が高いSNSです。Forresterの調査によると「Facebookの58倍、Xの120倍ものエンゲージメント率がある」とも言われています。

これはつまり、効果的なインスタ運用ができれば、ユーザーの注目を集め、熱心なフォロワーを獲得できる可能性が高くなることを意味します。

インスタグラムはインタラクティブな要素が豊富です。投稿に対して、いいねやコメント、ストーリーズへのリアクションなどが瞬時に行われます。

さらに、Instagramのアルゴリズムは、ユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを優先的に表示できます。エンゲージメント率が高いと、アルゴリズムの恩恵をより受けやすくなり、オーガニックでのリーチ数を拡大できます。

参考:Instagram Advertising in 2018: What You Need to Know|yotpo.

3.視覚的に製品・サービスの認知を広げられる

インスタは視覚的に製品・サービスの認知を広げられるプラットフォームです。写真やショートムービーなどが投稿のメインになるため、パッと見ただけで、ユーザーがコンテンツ内容を理解できます。

例えば、コスメの使い方やエクササイズの方法などを紹介する場合、文章で説明するよりも動画や写真など、視覚的に訴求できる手段を用いた方がユーザーに製品・サービスの具体的なイメージを伝えられます。

また、視覚メインのコミュニケーションは直感や感性に働きかける右脳が関わるため、ポジティブな情報が飛び交いやすい点もメリットです。インスタをビジネスで利用した場合でも、自社製品・サービスに対してポジティブな認知を広げやすいでしょう。

ただし、情報伝達では直感的な要素だけでなく、投稿作成ではロジカルな裏付けも重要です。視覚的な情報は直感的な訴求に長けていますが、論理的な文章による裏付けがなければ、ユーザーに納得を得られない可能性があります。

扱う商材にもよりますが、論理的な裏付けとビジュアル要素を掛け合わせて取り入れることで、インスタの強みの最大化が可能です。

4.企業イメージを効果的に宣伝できる

インスタは企業イメージを効果的に伝えるうえで数々のメリットがあります。

先に述べたとおり、インスタは視覚的な訴求に長けたプラットフォーム。魅力的なビジュアルコンテンツを通じて、企業のスタイルやブランドの特徴を直感的に伝えられます

例えば、自社製品やサービスの写真、製品のデザイン、ブランドのカラーパレットなどを組み合わせれば、自社にマッチした魅力的な投稿作成が可能です。また、ユーザーに視覚的な印象を与えることは、企業のアイデンティティ浸透にも効果的です。

その他、スライドショーのような形式で画像や動画を投稿できる「ストーリーズ」や、尺の長い動画を投稿できる「IGTV」などを用いれば、単なる製品情報だけでなく、裏側の製造過程や社内の雰囲気、従業員のエピソードなどを余すことなく共有できます。

また、インスタはユーザーの関与を促進する機能も豊富です。質問への回答や投票などができる機能を活用すれば、フォロワーとの双方向のコミュニケーションを図れます。

得た情報を元に、企業側は顧客の意見や好みを把握できます。これはブランドへのロイヤリティ(愛着や忠誠)を築くうえでも効果的です。

5.プラットフォーム内で購買動線を構築できる

従来のインスタ投稿では投稿内本文のキャプションに自社サイトのURLを記載しても、リンクが有効化されない仕様となっていました。

しかしショッピング機能ができてからは、投稿内で自社製品を紹介し、ダイレクトにECサイトに誘導できるようになったため、プロモーションにも利用しやすくなりました。

その他、インスタには「発見」や「ショップ」といったタブが存在し、アルゴリズムによって最適化された投稿や製品が表示される点も特徴です。

投稿を閲覧したユーザーの製品購入や来店予約を取り逃さないよう、購買意欲を高められれば、成果につながる購買動線を構築できます。

今後、インスタ内で決済機能も実装され、検索から購入完了まで完結できるようになると、さらに購買率が高まると予想されています。

企業がインスタを運用する際のコツ

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企業がインスタ運用する際、特に何に着目すれば良いのでしょうか。以下では特に押さえておきたい運用のコツを紹介します。

1.自社のインスタ運用の目的を明確にする

企業がインスタアカウントをマーケティングで活用する際、最も大切なこと運用目的を明確にすることです。

目的がはっきりしないまま運用をスタートしても、戦略やコンセプトの軸がぶれてしまい、成果を上げることが困難になります。具体的には次のポイントを意識してアカウント設計をしましょう。

・運営目線のゴールを考える(認知拡大、集客等)
・ユーザー行動のゴールを考える(フォロー、サイトやお店への流入等)
・誰にどのようなジャンルの何を発信するか明らかにする

そのほか、認知拡大や集客、販売促進などの大まかな目標から、具体的な数字目標を設定することもポイントです。

最初に目的を設定できると、インスタ運用の戦略立案や効果測定を適切に行いやすくなります。

2.インスタ運用や投稿の仕組みを理解する

効率的にインスタ運用を進めるには、インスタのアルゴリズムを理解することが不可欠です。インスタ公式サイトでも名言されている通り、フィード投稿やストーリーズ、発見タブの表示順には、アルゴリズムに即したルールが定められています。

自社のアカウントがどのような流れでフォローされるか、以下のような流れを理解することが効率化のコツです。

1.既存フォロワーからスピーディーに多くの「いいね」や「コメント」を獲得する
2.投稿が発見タブに掲載されてフォロワー外に拡散される
3.投稿に興味をもたれてプロフィールに遷移する
4.フォローされる

この流れを理解して、効率的にインスタ運用を進めましょう。

3.いいね・保存される有益な写真・コンテンツを発信する

インスタで「いいね」や「フォロワー」を増やす秘訣は、なにより写真や動画などの質にこだわること。下記のジャンルは特にコンテンツのビジュアル訴求が重視されます。

・ファッション系
・アクセサリー/雑貨系
・美容・ヘルスケア系
・食品・スイーツ系

これらのジャンルは撮影テクニックはもちろん、アカウントの世界観に合わせて写真をカスタマイズするテクニックが必要です。ブランド商品や企業のイメージにコンテンツがマッチしているか、ターゲットユーザーの嗜好に合っているかなどを意識しましょう。

さらに、多くのユーザーに投稿を届けるには、インスタ内の検索や発見タブなどで上位表示されることがコツです。コンテンツ作成の際には「いいね」や「保存」されるくらいの有益コンテンツを投稿できているか意識しましょう。

ユーザーが「あとで見直したい」「また確認したい」と思うような情報なら、いいね数や保存数も自然に上がります。

また、ホーム率を増加させる方法として、ユーザーの滞在時間を伸ばすことも重要です。ホーム率とは自社の投稿がどれだけフォロワーのホーム画面である「フィード」で閲覧されたかを示す割合を意味します。

例えば次のような施策を実施して、ホーム率を上げ、自社のコンテンツに多く触れてもらいましょう。

・プロフィール下にハイライトとしてストーリーズをまとめる
・投稿内で関連投稿を紹介する
・投稿内の画像数を増やす

その他、投稿を見たユーザーにいいねや保存をうながすメッセージを入れておくと、反応率が上がり、アルゴリズムでも評価されやすくなります。

企業がインスタを運用する際の注意点

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企業がインスタを運用する際、どのような点に注意したら良いのでしょうか。以下では特に気をつけたい注意点を紹介します。

1.インスタの利用規約やコミュニティガイドラインをよく確認する

企業のアカウントに限りませんが、運用前にはインスタの利用規約コミュニティガイドラインを必ず確認しましょう。ガイドラインに違反すると、アカウントを利用できなくなる恐れがあるため、ルールを守った運用を心がけましょう。

例えば、次の利用規約やコミュニティガイドラインに違反すると、アカウントの利用が停止される場合があります。

・他人のなりすましや不正確な情報
・法律違反に関係する投稿
・オーディエンスへの配慮が足りない写真や商標・著作権侵害

インスタの利用規約やコミュニティガイドラインを遵守したアカウント運用は、炎上リスク防止にも効果的です。企業内でも運用マニュアルを作成し、トラブルが起こらないよう準備しましょう。

具体的には次のようなチェックポイントに関する内容をマニュアルに盛り込みましょう。

・誰かの悪口になるような表現や馬鹿にしたような投稿でないか
・複数名でアカウントの方向性や訴求するユーザーにマッチした内容か
・使用している画像や動画、音楽などが商標・著作権に違反していないか

マニュアルがあれば、運用チーム全員が同じようにインスタ運用できるため、炎上やアカウント停止のリスク回避につながります。

参考:コミュニティガイドライン|Instagramヘルプセンター

2.自社のターゲット層がインスタにいるかチェックする

自社のターゲット層がインスタを利用していなければ、大きな効果を期待できません。

令和5年6月に総務省が作成した報告書によると、インスタの利用率が最も多い年代は20代で利用率は78.8%。60代では21.3%となっており、年配の方の利用率は低い傾向にあるとわかりました。

自社の製品・サービスのターゲット層が10代や20代などの若年層向けの場合はインスタを用いたマーケティングは効果的です。しかし、50代や60代が対象者の場合は、そもそもインスタを始めとしたSNSの利用者数が少ないため、違う手段を用いた施策を検討した方が良い場合があります。

ターゲット分析の起点となるのは、年齢だけではありません。ハッシュタグ検索や位置情報タグ、お客様アンケートの結果、競合アカウントのフォロワーなどからも把握できます。

また、ターゲット層の関心は時代によって変化するため、継続的な分析が重要です。顧客が現在何を求めているのか、ニーズは何なのかアップデートすることで、精度の高いターゲティングに活かせます。

参考:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所

3.ハッシュタグ選びに時間をかけすぎない

ハッシュタグを活用できると、新しいユーザー層との接点を増やせます。ハッシュタグ経由でのリーチ数やフォロワー数を増やすために「どのようなハッシュタグをいくつつければ良いか」と悩む方は多いのではないでしょうか。

しかし、近年のインスタのアルゴリズムでは投稿内容と無関係のハッシュタグをつけた投稿はユーザーに届きにくくなっています。むやみやたらに、無関係なハッシュタグをつけても逆効果です。

インスタ運用ではハッシュタグ選びでなく、「発見タブ」への表示に注力しましょう。発見タブとはインスタのスマホアプリの中にある「パーソナライズされた投稿がレコメンドされる機能」です。

発見タブには次の機能が実装されています。

・ネームタグ:インスタのアカウントが記録されているQRコード
・検索:上位検索やアカウント、タグ、場所からの検索
・トピックチャンネル:さまざまなトピックに特化したカテゴリ機能
・パーソナライズされた投稿の閲覧:パーソナライズされた投稿が閲覧できる機能

発見タブへの表示に重要なのは、投稿の保存数やいいねのスピードや数です。投稿してからより多くのユーザーに反応してもらうためにも、既存フォロワーに投稿を見てもらえる施策が欠かせません。

日頃から反応率の高い投稿を意識し、フォロワーのコミュニケーションをしっかり行いながら、発見タブへの表示を目指しましょう。

4.成果を実感するまでに時間と手間がかかる

インスタは自ら検索して得たい情報を手に入れる能動的なSNSなので、他のSNSと比較すると拡散性が低い点がデメリットです。

インスタのタイムラインは現在、フォローしているユーザーの投稿のみが表示されます。自分のフォロワーに他人の投稿を教えられる「シェア機能」はありません。したがって、投稿を誰かにシェアする際には外部アプリを使ってリポストする必要があります。

シェア機能を用いた大きな拡散力が見込めない分、フォロワーを増やすには、コツコツ質の高い投稿を続けることが必要です。加えて、ユーザーと定期的かつ継続的にコミュニケーションをとる必要があるため、成果が出るまでに膨大な時間がかかります

アカウント運用では、アクティブフォロワーが多いほど外部への露出も多くなります。しかし、フォロワーがゼロに近いアカウントは、そもそもフォローされにくいため、軌道に載せるまでが非常に困難です。

企業アカウントを始めるのは比較的簡単ですが、アカウントの成長には時間が必要である点を理解し、長期的なスパンで運用を行いましょう。

5.運用リソースを確保する

継続的に投稿する運用リソースを十分に確保できないことは、企業がインスタ運用を途中で挫折する理由の一つです。

インスタ投稿を継続するには、思った以上に手間がかかります。投稿作成に労力がかかりすぎてしまったり、リソースが足りないまま運用をスタートしたりすると、運用が長続きしません。

定期的な投稿ができないと、ユーザーとのコミュニケーションもおろそかになります。投稿スパンが空くとユーザーは「情報の更新がないのでつまらない」「運用が終わったのかもしれない」と感じて、フォローを外してしまう可能性もあるでしょう。

着実に成果を出すためにも、運用体制をしっかり整えることが大切です。具体的には次のリソースを確保しましょう。

・投稿素材となる動画や画像
・アカウントを運用する人材
・運用を外部の人材に委託する場合は外注費用

飲食やファッションなどの有形商材は比較的、素材の収集がしやすい傾向があります。しかし、無形商材を扱う企業はどのような投稿素材を使えるか、事前に確認しましょう。

まとめ

インスタを企業マーケティングで活用すれば、低コストで視覚的に製品・サービスの魅力を伝えられます。また、ユーザーとの接点を確保できるため、ユーザーの好みを把握しながら販売促進やECサイトとしての利用につなげることが可能です。

しかし、インスタ運用の成果を感じるまでには手間と時間がかかります。ビジュアル訴求を主軸においた、クオリティの高いコンテンツ作成が求められるため、途中で挫折するケースは少なくありません。

多少コストがかかってもいいから、着実に成果を上げたい場合はインスタ運用の専門的な知識やノウハウをもつ企業や、運用代行への相談がおすすめです。タカヨシでは経験豊富なスタッフが企業のSNSマーケティングに関するアドバイスを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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