
近年注目を集めているAIツール「chatGPT」。しかし「仕事でどう活用すればいいかわからない」「具体的な効率化方法を知りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
この記事ではchatGPTを活用して業務効率化を図りたい企業のご担当者様に向けて、導入事例やプロンプト作成のコツなどを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
chatGPTは、OpenAI社が開発した革新的なAI技術で、人間との自然な会話や文章生成ができるツールです。無料版と有料版があり、有料版はより精度の高い回答が期待できます。
人間と対話しているかのようなスムーズなやり取りができ、高度な文章作成能力を備えている点が特徴です。ビジネスやエンターテインメントなど、様々な場面で幅広く活用できます。
また、質問応答や文章作成、翻訳、要約など、様々な自然言語タスクをこなせる点もchatGPTの魅力です。カスタマーサポートや資料作成、マーケティングなど、幅広いビジネスシーンで役立ちます。
chatGPTの得意分野を理解することで、業務効率化の可能性が広がります。ここでは、chatGPTが特に得意とする5つの業務を紹介します。
chatGPTは、人間らしい自然な文章の作成に秀でたAIです。膨大な自然言語データを学習し、文脈を理解することで、人間が書いたようなリアルな文章を生成できます。
chatGPTは、書籍やニュース記事、ソーシャルメディアなど、莫大な量の自然言語データ を学習しています。この学習データによって、人間が使用する言語のパターンを理解し、自然な表現を習得できるのです。
また統計的な言語モデルを用いて、文法や語彙の使用頻度も理解しているため、誤りのない文章生成も可能です。
chatGPTは人間と会話するような感覚で情報収集や質問に答えることができ、業務効率化や知識の習得に役立ちます。
質問に対して一度回答した後も、さらに質問を追加すると、より詳細な情報が得られます。chatGPTは文脈を理解し、以前の質問と関連する回答を提供できるためです。
また、回答形式や内容について、様々な指示を出せる点も魅力です。例えば「ですます調でお願いします」や「〇〇文字以内で回答してください」などの具体的な指示が可能です。これにより、より理想に近い状態で文章を生成できます。
言語翻訳にも対応しているため、海外の情報を収集したり、外国人とコミュニケーションを取ったりする際にも便利です。
chatGPTはインターネット上の大量な情報やデータに基づいて、「一般的な回答」を生成することが可能です。
chatGPT は、最新の数字やデータへの言及は避けながらも、一般的な見解として情報をまとめてくれます。「資料の内容をサクッと理解したい」「忙しいから資料を最初から最後まで読む時間がない」というようなときにも、chatGPTは役立ちます。
chatGPTはどのような業務場面で活用できるのでしょうか。ここでは主な活用事例を紹介します。
パワーポイントなどの資料作成は、データの見せ方やデザインにも気を配る必要があるため、全てを人間の手で行うと工数が膨大にかかります。
しかし、chatGPTを活用すると、資料作成の効率化が可能です。
例えばchatGPTにVBAコードを生成してもらって、それを貼り付けると、営業資料や報告書などが完成します。
生成されるVBAコードは基本的なものなので、複雑なデザインや機能は別途指示する必要がありますが、この方法を用いれば、資料作成にかかる時間を大幅に削減できるでしょう。
仕事において必須なメールでの文章作成は、様々な状況に対応する必要があり、ゼロベースでの作成には時間と労力がかかります。
しかし、chatGPTを活用すれば、例えば業務で必要なメールのテンプレートも短時間で作成できます。メールを送る相手や内容を指示すると、様々なテンプレートを生成できるでしょう。
その他にも、以下のような用途に活用可能です。
ただ、送信する前には必ず内容を確認し、相手に失礼な表現や文章の誤りがないか確認してください。
chatGPTを活用することで、議事録作成を効率化し、会議時間を短縮できます。
例えば、以下の3つの業務を行えます。
文章の要約では長文の議事録をchatGPTに入力し、「要約してください」と指示すると、要点をまとめた文章を出力できます。
また議事録の内容をchatGPTに入力し、「決定事項を教えてください」と指示すると、決定事項をリストアップが可能です。
文字起こしされた議事録の内容をchatGPTに入力し、「文語に変換してください」と指示すると、書き言葉にも変換できます。
chatGPTを活用すると、資料作成にかかる時間を大幅に削減し、より魅力的なプレゼン資料が作成できます。
例えば箇条書きから資料を自動生成する方法では、会議やインタビューなどでメモした箇条書きから、chatGPTに指示するだけで資料を自動生成できます。作成手順は次の通りです。
また、データをchatGPTに入力するだけで、チャートやグラフを自動生成することも可能です。作成手順は次の通りです。
このようにchatGPTを活用することで、資料作成にかかる時間を大幅に削減し、より魅力的なプレゼンを作成できます。
chatGPTは、企画のアイディア出しの際にも効率化できるツールです。独創的なアイディアを短時間で多数生み出せます。
例えば既存商品・サービスの課題を洗い出す際にはchatGPTに既存商品・サービスの情報を入力し、「課題を洗い出してください」と指示するだけで、潜在的な課題を発見できます。手順は以下の通りです。
また、ターゲット顧客のニーズを分析する際にもchatGPTは有用です。chatGPTにターゲット顧客の属性や行動に関する情報を入力し、「ニーズを分析してください」と指示するだけで、潜在的なニーズを発見できます。
chatGPTは、ネーミングやキャッチコピーの提案も可能です。ネーミングやキャッチコピーを短時間で多数生み出せるので、商品・サービスの認知度や販売促進に貢献します。
商品・サービスの特徴を基にネーミングを提案する場合、chatGPTに商品・サービスの特徴やターゲット顧客を入力するだけで、商品・サービスのイメージに合ったネーミングを提案してくれます。
また、chatGPTにターゲット顧客の属性や行動に関する情報を入力し、「ターゲット顧客を惹きつけるキャッチコピーを提案してください」と指示するだけで、ターゲット顧客の心に響くキャッチコピーの提案も可能です。
chatGPTを使うと複雑な関数も短時間で作成でき、データ分析やレポート作成の作業時間を大幅に削減できます。
chatGPTにデータソースの情報と抽出・集計したい内容を説明するだけで、複数のデータソースからデータを抽出・集計する関数を自動生成できます。
その他、繰り返し行う作業の内容を説明するだけで、マクロも自動生成できます。
処理したい内容を説明するだけで、目的に合ったプログラムやソースコードを自動生成できます。
Webサイトでユーザー登録・ログイン機能を実装したい場合、以下の手順でプログラミングコードの作成が可能です。
またコードの作成だけでなく、chatGPTはコードビューもできます。自分で書いたコードを入力し、「バグがあれば教えてください」と依頼するだけで、修正が必要な部分や具体的な改善方法を瞬時に出力してくれます。
chatGPTの能力を最大限発揮させるには「プロンプト」が最も重要と言われています。ここではプロンプトとは何か、基本的な意味や的確な書き方を紹介します。
chatGPTは、指示を明確に伝えることで真価を発揮しますが、指示を伝えるために重要なのが「プロンプト」です。
プロンプトとは、chatGPTに何を求めているのかを明確に伝えるための指示文です。指示を出す際には以下の情報を含めましょう。
プロンプトが明確であればあるほど、chatGPTは指示を正確に理解し、期待に応える回答を生成してくれます。
プロンプトを作る際には、以下の点に注意することがポイントです。
指示が曖昧だと、希望通りの回答が得られないことがあります。細かな指示を加えることで、求めている答えに近い結果が得られます。
プロンプトには、以下の3種類があります。
プロンプトの種類 |
特徴 |
Instruction(命令) |
chatGPTに指示を出す |
Completion(補完) |
文章を自然に完成させる |
Demonstration(実演) |
例から学習し回答を提供 |
1つ目の種類は「Instruction(命令)」です。chatGPTに指示を出す際に用います。これは最も基本的なプロンプトで、chatGPTに具体的に何をしてほしいのかを指示します。
「この文章を100文字以内で要約してください。」
「この画像に基づいて、詩を書いてください。」
「このコードをより効率的に書き換えてください。」
といった指示内容で活用します。
2つ目は「Completion(補完)」です。文章を自然に完成させる際に用います。ユーザーが入力した文章の続きを自動で生成できる点が特徴です。
例えば「今日は」と入力すると、「今日は暑いですね。」と、自然な文章を補完してくれます。
3つ目は「Demonstration(実演)」です。ユーザーが入力した情報や提示した例を基に回答を提供します。
「サービスの品質が高い//強み、認知度が低い//弱み」などの例を提示して、「資金が少ない//」と入力した場合、傾向を学習したchatGPTは「弱み」と回答します。
効果的にchatGPTを利用するためには、これらの プロンプトの種類を適切に選ぶことが重要です。
chatGPTは高度なAIですが、プロンプトの指示が曖昧だと、的確な回答は期待できません。chatGPTを最大限に活用するために、効果的なプロンプトの書き方のコツを解説します。
chatGPTに立場や役割を与えることで、状況にマッチした回答を引き出せます。
具体的には、以下の2つの方法でキャラクター設定が可能です。
立場を指定する場合、chatGPTに対話の目的や役割を伝えることで、より適切なトーンや言葉遣いで返答してくれます。
例えば「あなたは〇〇の担当者です。」と入力すると、担当者として対応するべき内容を回答します。
また、chatGPTは、様々な キャラクターになりきって回答することも可能です。
「あなたは〇〇の専門家です。この問題について、アドバイスをお願いします。」と入力すると、専門家として問題を分析し、解決に向けたアドバイスができます。
キャラクター設定を行うためには、以下の情報を伝えることがポイントです。
設定する情報が詳細なほど、chatGPTはよりリアルで深いキャラクターになれるので、自然な回答を得られます。
chatGPTは、回答形式を指定することで、情報を整理し、効率的に活用できます。
例えば以下の3つの方法があります。
回答形式を指定することで、chatGPTは情報を整理し、理解しやすい形式で回答を生成できます。情報を効率的に処理したい場合や、共有しやすい形式で回答を取得したい場合にこの書き方は有効です。
chatGPTの能力を最大限に引き出すためには、希望する条件を明確に伝えることが重要です。
chatGPTに何を生成してもらいたいのか、目的を明確に伝えましょう。例えば「顧客クレーム対応のメールを作成してください。」ではなく、「顧客クレーム対応のメール文を300字前後で作成してください。お客様の意見を参考に改善する旨を伝えてください。」と入力すると、より明確な回答が得られます。
また、生成したい内容の条件を具体的に設定することもポイントです。「コードを書いてください。」ではなく、「この処理を実行するコードを、Pythonで書いてください。」と条件を細かく入力します。
chatGPTは指示が曖昧だと、期待に応える回答を得られない場合があります。的確な回答を引き出すためには「回答例の提示」が重要となります。
特に以下の点を意識してプロンプトを作成しましょう。
例えば「この問題を解決するにはどうすればいいですか?」ではなく、過去の chatGPTとのやり取りを参照し、具体的な質問を追加すると、ニーズにマッチした回答を得やすくなります。
最初の質問が曖昧だと、chatGPTも何を答えればいいのか判断できません。追加質問では、具体的に何を知りたいのかを明確に伝えましょう。
回答が不十分な場合は質問を追加すると、価値のある回答を得やすくなります。
例えば「この商品を購入しようと思うのですが、どう思いますか?」という質問に対して、明確な回答が得られなかった場合、次のように質問を深堀りしましょう。
「この商品を購入しようと思うのですが、他に検討すべき商品はありますか?それぞれのメリットとデメリットを教えてください。」
このように追加質問をすることで、意図した回答が得やすくなるでしょう。
chatGPTは色々なビジネス場面で役立つ一方で、業務化に不向きなこともいくつかあります。ここではchatGPTで効率化できない業務の例を紹介します。
chatGPTが苦手な事は以下の4つです。
chatGPTは、人間の感情を完全に理解することはできません。これは、感情が複雑で、言葉だけでなく表情や声のトーン、状況など様々な要素によって左右されるためです。
chatGPTは、学習データに含まれている情報に基づいて回答を生成します。しかし、学習データには個人の経験に基づいた情報が限られているため、chatGPT自身が経験したことのない体験談は伝えられません。
chatGPTは、学習データに含まれている情報に基づいて回答を生成します。従って、学習データに含まれていない最新の情報は提供できません。
chatGPTは、過去のデータに基づいて未来を予測することはできますが、確実な予測をすることはできません。未来は不確実であり、様々な要因によって変化するためです。
chatGPTは近年開発されて発展途上中の機能のため、間違った回答をする場合があります。以下はchatGPTに向いていない業務です。
chatGPTは、学習データに含まれている文章を参考に文章を生成できますが、自身の経験に基づいた文章は作成できません。
「旅行記を書いてください。」とchatGPTに依頼しても、実際に旅行に行った経験がないため、リアルな旅行記を書くことはできないのです。
従って、chatGPTで実体験談が入った文章を作成する際には、自分で実際に旅行の体験談を記録し、プロンプトで具体的に情報を提示した上で文章作成する必要があります。
chatGPTは最新のトレンドを把握できな場合があります。chatGPTはリアルタイムで情報更新されるわけではなく、OpenAIによって定期的にデータが更新されるためです。
従ってソーシャルメディアやニュースサイトなどを活用して、回答内容が最新のものか適宜判断しましょう。
しかし、最近はプラグインを活用することでトレンド情報の取得と分析ができる場合があります。このようなトレンド調査ツールをうまく活用することがポイントです。
chatGPTは専門性の高い情報や知識を扱うのが苦手です。
法律や医学、金融など、高度な専門知識が必要な分野でchatGPTを過信すると、誤った情報に基づいて判断を下し、損失を被る可能性があります。
専門性の高い情報提供において、chatGPTが不正確な情報を生成すると、利用者の信頼を失い、企業や組織の評判を損なう可能性もあるでしょう。
専門性の高いツール・サービスの利用: 専門性の高い情報や知識が必要な場合は、chatGPTではなく、専門性の高いツール・サービスを利用しましょう。
chatGPTの業務利用は、多くのメリットをもたらしますが、デメリットや注意点も存在します。これらの点を理解した上で、正しく活用することが重要です。
chatGPTに入力された情報はOpenAI社の外部サーバーに保存される可能性があります。機械学習のために収集され、他のユーザーの回答に使われる可能性があるため、企業の内部情報や機密事項はchatGPTに入力しないようにしましょう。
例えば、個人情報や営業秘密、社内の人事情報などを入力すると、情報が漏洩するリスクがあります。もし、これらの情報が漏洩した場合、企業に大きな損害を与える可能性があるため注意が必要です。
自社でchatGPTを使用する場合は、
などの対策が必要です。
情報セキュリティを意識し、適切な対策を講じた上で利用しましょう。
chatGPTで生成された情報のすべてが正しいとは限りません。最終的な判断は人間が行い、情報の正確性を必ず確認しましょう。
また、そもそもプロンプトの指示内容に以下のような間違いがある場合も、正しい結果が出力されません。
このような誤った情報を鵜呑みにすると、企業の信頼が損なわれたり、顧客や取引先からのクレームにつながる可能性があります。最悪の場合、法的な責任を問われることもあるので、要注意です。
chatGPTを利用する際には、元情報を鵜呑みにせずに、
などを徹底し、情報が本当に正しいか、精査しましょう。
chatGPTを導入しても、実際に利用されなければ業務効率化は実現できません。そこで、ここではchatGPTを導入して業務効率化する際の流れを5つのステップで紹介します。
chatGPTを導入して業務効率化を成功させるには、まず効率化したい業務を明確にすることが重要です。
そのためにも、まずは現状の業務プロセスを詳細に分析し、効率化できる部分を特定しましょう。
日々の業務フローを図解したり、業務内容を書き出したりして、全体像を把握し、各タスクにかかる時間や頻度を記録できると、非効率な部分や改善点を見つけられます。
業務プロセスを洗い出したら、以下の観点から効率化できる業務を選びます。
これらの業務から、まずは効率化したいものを明確にすることが重要です。
業務効率化の目標を数値化すると、chatGPT導入の効果を測定しやすくなり、目標達成の進捗を容易に追跡できます。
効率化の目標を設定する際は、単に「時間を節約したい」「作業をスムーズにしたい」といった抽象的な目標ではなく、具体的な数値目標を定めることが重要です。
例えば、
「データ入力にかかる時間を30%削減する」
「顧客からの問い合わせ対応時間を20%削減する」
など、明確な数値で目標を設定しましょう。
このように目標が数値化されると、チームでプロジェクトを進める際にも目標達成に向けてモチベーションを高められます。
chatGPTを業務効率化に活用するには、必要な情報を学習させることが重要です。
学習させないと、chatGPTは一般的な回答しかできません。例えば、内線電話のかけ方を質問しても、一般的な回答しか得られないのです。
しかし、自社独自の情報をchatGPTに学習させることで、自社のやり方にマッチした業務効率化が実現できます。
先の内線電話をかける業務効率化の例の場合、自社の内線番号の割り当てや転送設定、外線へのかけ方などを学習させると、良いでしょう。
その他、問い合わせ対応させる際には自社の規約や利用マニュアル、よくある質問集、過去の問い合わせ履歴などの学習も必要です。
chatGPTを導入し、業務効率化を実現するためには、目的を明確にし、企業で利用しても問題がないか確認した上で、必ずテスト導入を行うことが重要です。
テスト導入とは実際の業務プロセスにchatGPTを導入し、その適合性と効果を検証する重要なステップ です。
テスト導入では、以下の点を評価します。
発見された問題点や改善点を洗い出し、本格導入前に必要な調整を行います。
chatGPTを導入したら終わりではなく、定期的に挙動を改善していくことが重要です。
chatGPTは常にアップデートされており、業務内容も変化していきます。こうした変化に対応するためにも、設定を改善し続ける必要があります。
具体的には、以下の点を定期的に確認し、必要に応じて調整しましょう。
継続的な改善によって、chatGPTをより快適で効率的に活用できます。
chatGPTは、業務効率化の強力なツールとして注目されています。文章作成、問い合わせ対応、従業員教育など、幅広い業務で活用可能です。しかし、 chatGPT は万能ではありません。AIの学習システムにおける、情報の正誤や倫理観などが課題として挙げられます。
これらの課題を克服するには、 chatGPTを適切に利用するためのガイドラインを策定し、従業員に周知徹底することが重要です。
タカヨシでは経験豊富なスタッフがchatGPTを活用した業務効率化に関するアドバイスを行っていますので、この機会にぜひご相談ください。