
ECサイトの集客に困っていませんか?集客が大事とわかっていても、コスト面がネックとなり、なかなか対策に力を入れられないケースは多いのではないでしょうか。
この記事ではEC集客の効果的な施策や売上アップに欠かせないポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトは構築して終わりではなく、集客のために継続的な施策を行う必要があります。なぜ、ECサイトでは集客施策が重要なのでしょうか。
以下でその理由をそれぞれを詳しく解説します。
EC市場は競合他社も多く、業界大手がすでに市場で権威をもっているケースが多くあります。自社が後から参入した場合、ECサイトへの集客や商品認知には時間と費用がかかります。
多くの類似商品がある中で、自社の商品・サービスが顧客に選ばれるためには、効果的な集客施策が不可欠です。他社との差別化を図り、顧客の目に留まりやすくすることが成功の鍵となります。
自社ECサイトの存在を広く知ってもらわない限り、売上につなげることは難しくなります。
潜在顧客に自社ECサイトを認知してもらい、さらに購入してもらうには、戦略的な仕組みが重要です。
例えば、ファッションアイテムのECサイトがInstagramを活用して人気のインフルエンサーと提携し、商品を着用した写真や動画を発信することで、多くのフォロワーにECサイトの存在をアピールできます。
このような施策により、自社ECサイトの認知拡大が可能となり、それが売上向上につながるケースは少なくありません。新規顧客の獲得だけでなく、リピーターを増やすことで、事業の安定化が期待できます。
ECサイトで用いられる、代表的な集客施策は次の5つです。
集客施策 | 即効性 | 予算 | 特徴 |
---|---|---|---|
SEO | △ | ○ | ・自然検索からの流入 ・中長期的な効果 ・コンテンツ重視 |
SNS広告 | ○ | △ | ・ターゲット広告 ・ユーザーとのコミュニケーション |
リスティング広告 | ○ | × | ・キーワードにもとづく表示 ・効果的なターゲティング |
動画広告 | ○ | × | ・映像を活用 ・感情の共有 |
メールマーケティング | △ | ○ | ・ターゲットへのダイレクトなアプローチ ・パーソナライズ ・セグメンテーション |
「ECサイトの集客施策」と言っても、特徴やメリット・デメリット、使用事例などはそれぞれ異なります。この章ではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。
検索エンジンからのSEO集客とは、ECサイトをWebページの検索結果で上位に表示させることを目指す手法です。
SEO集客で重要なことはキーワード最適化です。自社ECサイトの見込み顧客となるユーザーが検索しそうなキーワードを選定できれば、ユーザーのニーズにマッチしたコンテンツを提供できます。
また、キーワード選定だけでなく、技術的な要素もSEOにおいて重要です。例えばサイトの速度やモバイルフレンドリーなデザイン、クローラビリティなどを向上させることも、自社ECサイトの検索上上位表示に繋がります。
例えば次のような場面でSEO集客は使用されます。
・新商品の紹介: 新商品のキーワード最適化を行い、検索結果で顧客にアピール
・教育的なコンテンツ提供:製品の使用方法やメンテナンスに関する情報を提供し、ユーザーの問題解決に繋げる
・ローカルビジネスの強化:地域に特化したSEOを行い、ローカルなユーザーにサービスや商品を紹介
SEO集客のメリットは広告と比較して集客コストが低い点です。上位にランクされると、ユーザーに対して信頼性が高いサイトと認識されやすくなります。適切な最適化が行われると、長期的に安定した自然な検索からのトラフィックを獲得できます。
一方、デメリットは施策の結果が出るまでに時間がかかる点です。即時の成果を求める場合、他の集客手法も検討が必要になります。また、検索エンジンのアルゴリズム変更によって、順位が変動する可能性があるので注意が必要です。
SNS広告とは、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などソーシャルメディア上で広告を展開するマーケティング手法です。
例えば次のような場面でSNS広告は使用されます。
・プロモーションキャンペーン:新商品やセールの宣伝、プロモーション情報の発信
・インフルエンサーとのコラボ:有名なインフルエンサーを活用して、製品やブランドの宣伝を行い、フォロワーに訴求
・狙ったターゲット層への広告の提示:SNSのターゲティング機能を活用し、特定の年齢層や興味をもつユーザーにリーチ
SNS広告はプラットフォームがユーザーの興味や行動データを把握しており、広告のターゲティングが非常に精密です。
また、コメントやシェアなどの機能を使えば、ユーザーとの対話ができるため、ユーザーとのエンゲージメントが生まれやすい点も特徴的です。
SNS広告は画像を多く含むため、視覚的なコンテンツが効果的に共有され、拡散されやすいと言われています。
SNS広告の効果をリアルタイムで分析し、キャンペーンの最適化がしやすい点がメリットです。
一方、SNSユーザーは多くの情報量にさらされているため、瞬時に注目されるようなコンテンツを制作する必要があります。
また、不適切なコンテンツやタイミングで広告を表示すると、マイナスイメージとなり、施策が逆効果になるため、広告配信頻度やタイミング、内容などが注意点です。
リスティング広告とは検索エンジンの検索結果ページで、特定のキーワードに関連する広告を表示する広告形式です。Google広告では、検索結果の上部や右側に、検索されたキーワードに関連する広告が表示されます。
課金形態はクリック単位で課金されるCPC(Cost Per Click)が一般的で、実際にユーザーが広告をクリックしたときに料金が発生する点が特徴的です。
例えば次のような場面でリスティング広告は使用されます。
商品検索キーワードに対する広告:インテリア家具を販売するECサイトが「モダンな家具」や「シンプルなテーブル」などの商品検索キーワードに対してリスティング広告を出稿。
季節やイベントに合わせたキャンペーン:クリスマスやセール期間など、特定の季節やイベントに合わせて、関連する検索キーワードに対してキャンペーンを展開。
新商品の発売:新商品を効果的に宣伝するために、その商品名や特徴に関連する検索キーワードに対してリスティング広告を活用
リスティング広告のメリットはユーザーが具体的な検索を行ったときに広告を表示して、関連性を高められる点です。
また、検索結果ページの上位に表示され、検索意向が高いため、クリック率が一般的な広告よりも高くなります。
また、クリックやコンバージョンがリアルタイムで測定できるため、広告の効果を素早く評価して最適化できる点も魅力です。
一方で、人気のあるキーワードへの入札競争が激しいため、広告費が増加する可能性があります。クリック単価が上昇すると、広告主にとって競争が激しくなることが注意点です。
動画広告はECサイトの集客において、視聴者に対して商品やサービスを動画形式で宣伝する手法です。動画広告はテキストや画像に比べ、商品やサービスの特徴や魅力を生き生きと豊富に伝えられます。
また、YouTubeをはじめとしたソーシャルメディアやウェブサイト上で幅広く配信できるため、色々な年代や性別の視聴者に対して柔軟なリーチが期待できる点も特徴的です。
動画は音声と映像を組み合わせたコンテンツを通して、感情やストーリーを効果的に伝え、ユーザーとのエモーショナルなつながりを生み出せます。
例えば次のような場面で動画広告は使用されます。
・商品のデモンストレーション:新製品の使い方や特長を分かりやすく伝えるために、商品デモンストレーション動画を制作し広告に活用。
・ストーリーテリング:ブランドのストーリーを感動的に伝え、ブランドイメージを向上させる動画をソーシャルメディアで展開。
・セールスプロモーション:期間限定のセールや特別キャンペーンの告知を効果的に行うため、クーポンや割引情報を含む動画を制作。
動画広告のメリットはユーザーの視覚と聴覚を刺激し、商品やサービスに関する情報をスピーディーに伝えられる点です。視覚を通した訴求は視聴者の興味関心を誘発しやすく、コメントやシェア、いいねなどのエンゲージメントが期待できます。
また、動画プラットフォームや広告ツールを活用することで、視聴回数や再生時間、クリック率などのデータを分析し、広告効果を把握できる点も魅力です。
一方でデメリットは制作コストが高い点です。高品質な動画を制作するためのコストがかかり、小規模なECサイトにとっては課題となることがあります。
また、ユーザーは広告をスキップする傾向があるため、プラットフォームで動画を配信する際には広告メッセージを短時間で伝える必要があります。
メールマーケティングは、ECサイトの集客において電子メールを活用して顧客とのコミュニケーションを構築し、商品やサービスを促進するマーケティング手法です。
メールマーケティングは顧客との直接的な対話を行い、個別のメッセージを送れます。また、顧客の購買履歴や行動にもとづいて、ターゲットに合わせたカスタマイズができ、パーソナライズされたメッセージを簡単に送信できる点が特徴的です。
イベントや特定の行動にもとづいたメールを自動的に送信でき、季節やトレンドなどのタイミングを活かした戦略も展開できます。
例えば次のような場面で動画広告は使用されます。
・新規顧客向けウェルカムメール:ECサイトに新規登録した顧客に、ウェルカムメールを送信して特典の案内や商品カテゴリーの紹介を行う。
・リピート購買促進:一定期間経過した顧客に、関連商品やリピート購買の際の割引クーポンを提供するメールを自動配信する。
・ショッピングカート放置メール:カートに商品が入ったまま放置された場合、リマインダーメールを送信して購買を促す。
メールマーケティングのメリットは既存顧客への情報提供や特典の提供を通じて、顧客のリテンション(継続利用)を促進できる点です。
また、他の広告媒体に比べて低いコストで多くのユーザーにリーチできるため、高い費用対効果が期待できます。
一方で、メールの開封率は受信者の状態や興味により大きく変動するため、一概に安定した結果が得られない点がデメリットです。魅力的で価値のあるコンテンツが提供されない場合、ユーザーがメールを開封・クリックする確率が低くなります。
成果を上げるには、メッセージの品質や配信タイミングに注意が必要です。
ECサイトで売上につながる集客を実現するには、具体的にどのような手順を踏めばいいのでしょうか。ここでは特に大切な、5つのポイントを紹介します。
・目標を設定する
・質の高いコンテンツを制作する
・オンラインとオフラインの両方からアプローチする
・ECサイトの集客サービスを活用する
以下でそれぞれのポイントを詳しく解説します。
ECサイトの集客力を上げるにはまず、具体的な目標設定とターゲットの明確化を行いましょう。ECサイトの集客力を数値化する際には、いくつかの指標や要因を考慮することが一般的です。
例えば、以下の要因を元に、集客力は評価できます。
・ECサイトのユーザー数:ECサイトに訪れるユーザー数が多いほど、潜在的な購買者が増加します。
・ページビュー: ページビューが多いほど、ユーザーがサイト内でどれだけ活動しているかを示し、興味を持っている可能性が高まります。
・キーワードの順位:主要な検索エンジンでの重要なキーワードの順位が上位にあるかどうかが重要です。SEOの強化が集客力を向上させます。
・コンバージョン率:ウェブサイト訪問者が実際に購買などのアクションに移行する割合を示します。
・広告クリック率(CTR): デジタル広告のクリック率が高いほど、ターゲットユーザーが広告に興味を示しています。
ターゲットユーザーを定義する際には、商品やサービスを利用するであろう理想のユーザー像を詳細に定義することがポイントです。
例えば、同じまたは類似の商品やサービスを提供する競合他社の顧客層を分析します。競合分析を通じて、競合がどのようなユーザーをターゲットにしているかを理解できるでしょう。
また、ユーザーターゲットが直面している課題やニーズを特定すると、商品やサービスがどのようにその課題やニーズを解決できるかわかります。
なぜユーザーが商品やサービスを購入するのかを理解し、価格、品質、ブランド価値などの要因を考慮し、購買動機に合わせたマーケティングメッセージを構築することが大切です。
これらのステップを踏んでユーザーターゲットを具体的に定義することで、集客戦略をより効果的に展開できます。
SEOで集客を目指す場合、コンテンツの質を高めることがポイントです。ではそもそも、質の高いコンテンツとはどのようなものでしょうか。
質の高いコンテンツとは端的に言うと、ユーザーにとって有益なコンテンツです。ユーザーにメリットをもたらす情報やユーザーの悩みや問題の解決に繋がる情報とも言えます。
Googleはページのクリック率や滞在率、直帰率、離脱率などの数値を基準に、ECサイトがユーザーに有益な情報を提供しているかどうか判断しています。
例えば、ユーザーが何を考えて検索したのか、その意図に適切に答えたコンテンツはGoogleから質の高いコンテンツと評価されます。また、自社の経験や一次情報が元となっているコンテンツは独自性の高い有益な情報と認識されます。
その他、文章だけでなく、図解や写真、動画など、見た目の読みやすさも重要です。
商品情報の掲載だけでは、ユーザーに商品の魅力を十分に伝えられないことがあります。商品の使用方法や実例、開発ストーリーなどの商品・サービスに関する情報はテキストだけでなく、写真や動画などビジュアル面での訴求を検討することで、具体的なイメージをユーザーに与えられるでしょう。
オンラインとオフラインの両方からターゲットにアプローチする販売戦略を「オムニチャネル」と呼ばれています。
ECサイトだけでなく、実店舗がある場合は、オムニチャネルによる販売戦略を実践することがポイントです。それぞれで得た顧客情報を集客で活用できれば、売上の相乗効果が期待できます。
例えば、実店舗とECサイトで共有できるポイントシステムを導入すれば、ECサイトの訪問数の向上に繋げることが可能です。実店舗で商品購入した際に貯めたポイントをECサイトでも利用できるようになると、ECサイトの訪問数アップに繋がるでしょう。
また、ECサイトで購入した商品の実店舗での受け取りや、実店舗の顧客にECサイトのキャンペーンを告知するといった使い方も可能です。
買い物をする際にチャネルごとの違いを意識せず、シームレスなサービスを受けられるようになると、顧客にとってのサービスの利便性が格段に上がります。実店舗とECサイト、どのチャネルからでも商品・サービスを購入できると、機会損失を減らせます。
「自社に合った集客施策がわからない」「広告運用がうまくいかず効果がでるのに時間がかかっている」「他業務で忙しく、集客にコミットできない」といった場合は、外部の集客サービスを利用する手もあります。
集客サービスとはECサイトをはじめ、集客を支援する広告運用代行サービスです。ECサイトのWeb広告掲載に使うキャッチコピーの制作や設定、運用管理、広告出稿、効果測定などの全てをノウハウを持ったプロにお任せできます。
外部の集客サービスを活用する場合は広告運用の実績が高い企業を選ぶことがポイントです。Web広告に精通した人材が自社にいない場合でも、外部の集客サービスに依頼すれば効果的な広告運用を行えます。
ECサイト集客は時流の流れや技術の進化によって、変化しています。この章ではECサイト集客に関する最新トレンドをご紹介します。
越境EC市場とは国境を越えて電子商取引を行うことです。海外のECサイトで商品を購入して日本に取り寄せたり、日本のECサイトで海外の顧客向けに商品を販売したりなどが挙げられます。
近年、グローバル市場への展開が一層進んでおり、越境ECの市場は拡大しています。また、自国にない商品の購入を実現できることも、市場の拡大が進んでいる要因の一つです。
急成長している越境EC市場で成功すれば、新たな顧客層にアプローチできるチャンスがあります。
SNS上でのショッピング機能の拡充が進んでおり、ユーザーが直接広告や投稿から購入できる環境が整備されています。例えばInstagramやFacebookなどのプラットフォームでのショッピングが可能になりました。
今後、AI(人工知能)や5G通信の発達によって、検索してものを探す機会が減る流れは加速すると考えられています。ユーザーの好みの傾向や、欲しいものの特徴を伝えなくても、購買履歴や行動データをもとに、世界中のEC サイトから心躍る商品を探し出してくれるからです。
課題を特定するフレームワークや、AIを活用したSNS集客などの導入により、より効果的な施策の展開が可能となっています。
ECサイトの集客力は売上に関係する重要なポイントです。「集客施策」と言っても、それぞれ特徴やメリット・デメリットは異なります。自社の戦略や目標、予算などに応じて、適切な施策を選ぶことが重要です。
ECサイト集客で着実に成果を上げたい場合は専門的な知識やノウハウをもつ企業のサービスを利用することをおすすめします。タカヨシでは経験豊富なスタッフが企業のECサイト集客に関するアドバイスを行っていますので、この機会にぜひご相談ください。
【タカヨシ コトポケット編集部】
ビジネスの成功につながるさまざまな「コト」をお届けします。お客様のビジネスの参考にぜひご覧ください。