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2023/08/29

ブランディングとは?成功事例から学ぶポイントと注意点を解説!

ブランディングとは?成功事例から学ぶポイントと注意点を解説!
目次

企業の存在感を強化し、信頼と価値を届ける手段として、ブランディングの力は絶大です。戦略の礎として、他社の成功事例や要因の分析に踏み込むビジョンをもつ企業のご担当者様はきっと多いことでしょう。 今後さらに自社商品・サービスのブランディング強化をご検討中の方々に向けて、この記事では、魅力的なブランディングの成功事例を紹介・解説します。基本的な概念から押さえるべきポイント、注意点までご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ブランディングとは?

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ブランディングとは、商品やサービス、企業などのイメージやアイデンティティ、価値などを形成し、消費者に対して独自性や魅力を伝える戦略的なプロセスのことです。このプロセスを通じて、企業は競合他社に勝てる状態を目指します。

ブランディングがしっかり基礎から定義されている企業は、その組織が誰であり、何を考え、どのような行動を実現しようとしているのかを社内外に明確に示せます。結果として、企業は他企業とは一線を画した印象をもたれ、顧客や社員、取引先などとの深い結びつきが築けます。

例えば、NIKE(ナイキ)のロゴマークは躍動感溢れながらも、シンプルなスウッシュが印象的です。このマークを見るだけで、「スポーツ用品」「かっこいい」などイメージできますよね。

また「少しオシャレな空間で気軽にコーヒーが飲みたい」といった場合には、STARBUCKS(スターバックス)をイメージする方は多いでしょう。

このように「〇〇(商品名)と言ったら、この企業」と思ったときに、真っ先に自社商品を思い出してもらうための施策がブランディングです。

競争が激化する現代の市場において、ブランディングはとても重要視されています。多種多様な選択肢のなかから、自社商品やサービスを選ぶためには、商品やサービスの背後にあるストーリーターゲットとなる顧客の価値観に関連付けながら、興味をもってもらうことが大切です。

近年ではブランディングは企業の一方的な取り組みの枠を超え、顧客との感情的な結びつきを築く手段として機能しています。ブランディングを効果的に実行するには、SNSの口コミやインフルエンサーの投稿など第三者の声を受け入れながら顧客との信頼関係を築くことも、企業の長期的な成功を支えるポイントです。

ブランディングの種類

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ブランディングと一括りに言っても、その種類は多種多様です。
代表的なものとしては、社内に働きかける「インナーブランディング」、顧客・一般消費者を対象とした「アウターブランディング」、ブランドの再生を目的とする「リブランディング」があります。
特徴や詳細について、それぞれ解説していきます。

インナーブランディング

インナーブランディングとは、従業員に企業の理念やビジョン、価値観を社内(インナー)で共有し、共感や愛着心を促すブランディング戦略の一つです。この戦略は基本的に「ミッション・ビジョン・バリューの選定」「従業員への浸透」「効果測定」の3ステップで進めます。

インナーブランディングがうまくいっていないと、社内外でのブランドメッセージに統一感がなくなるため、注意が必要です。

従業員が自社に愛着をもつメリットは、次の通り。

・仕事に対するモチベーションの向上
・従業員同士の連帯感や一体感が生まれる
・離職率が低下する
・ブランドイメージ向上に積極的に寄与する

インナーブランディングを通じて、企業の理念と従業員の意識変革、組織文化の変革を促進し、持続的な成功を追求できます。

アウターブランディング

アウターブランディングとは顧客や取引先、投資家、一般消費者など社外を対象としたブランディングです。

インナーブランディングとの違いは、施策の方向性です。インナーブランディングは社内に向けた施策なのに対し、アウターブランディングは社外に向けて行います。

アウターブランディングには次のような効果があります。

・自社ブランドの認知度拡大
・競合との差別化
・中長期的な事業成長

ブランドのポジティブな価値が社外に広く認知されると、自社の製品・サービスを今まで購入したことがない新規顧客層の心理的なハードルが下がり、購入してもらえる可能性が高まります。

自社ブランドに良いイメージが浸透すれば、消費者に選ばれやすくなるため、価格競争に巻き込まれずに、収益を確保しやすくなるでしょう。

結果として、顧客ロイヤルティ(信頼・愛着)の向上やリピーター、優良顧客の獲得につながり、安定的な事業成長の基盤を築けます。

また、アウターブランディングは、3つの種類に大別されます。
下記でそれぞれ特徴など解説します。

1.企業ブランディング

企業ブランディングは、アウターブランディングの中でも、企業の社会的イメージを戦略的に向上させる手法で、BtoCだけでなくBtoBにおいても有効なブランディングの一つです。

BtoBの場合はセミナーや対面営業、オウンドメディアなどで、地道なマーケティングを行います。

企業ブランディングのメリットは次の通り、多岐にわたります。

・資金調達がしやすくなる
・人材採用の容易になる
・従業員モチベーションが向上する
・マーケティングにかかるコストを削減できる
・顧客ロイヤリティが向上する

企業ブランディングを活用すれば、お客さまや取引先、一般消費者、株主、地域社会、社員などに共有したい企業の社会的イメージを戦略的に高められます。

2.製品・商品ブランディング

製品・商品ブランディングは、アウターブランディングの中でも、製品・商品のブランドを確立するための戦略であり、消費者の興味関心から購入までのプロセスに影響を与えるブランディングの一つです。

例えば今までは「TOYOTAのプリウスしか買わない」という価値観しかもっていなかった人が製品・商品ブランディングによって「Teslaのモデル3も選択肢に入れる」という風に、他のブランドにも目を向けられるようになります。

この施策がもたらすメリットは次の通りです。

・製品・商品に他企業にはない付加価値が生まれる
・顧客から好意的な評価を得られ、リピート購入が増える
・顧客のロイヤリティが高まる
・価格競争から抜け出せる

具体的な施策としてはパッケージデザインや商品名、宣伝方法などをブランドコンセプトに基づいて設計し、他社との差別化を図ります。

3.採用ブランディング

採用ブランディングとは、アウターブランディングの中でも、自社の「ファン」を増やすための採用に特化したブランディング戦略です。

具体的な採用活動を意味する採用広報とは異なり、採用ブランディングでは採用全体の土台となる仕組みづくりを行います。

採用ブランディングのメリットは次の通りです。

・採用コストを抑えつつ、多くの求職者を集められる
・質の高い人材を採用できる可能性が高まる
・入社後のミスマッチが減り、従業員満足度や定着率の向上につながる
・採用担当者が変わってもブランドイメージを継承できる

例えばGoogle(グーグル)は、自由な雰囲気や創造性を尊重する企業文化が書籍やSNSなどを通して社内外に広まったことで、独自の採用ブランディングを打ち立てることに成功している事例です。

このように、企業理念やビジョン、社員のパーソナリティや職場の雰囲気などを効果的に情報発信できると、求職者の共感や信頼を醸成できます。

リブランディング

リブランディングとは、「ブランドの再生」を意味する言葉で、時代の変化や情報の流れに対応しながらブランドの訴求ポイントやブランドコンセプトなどを変える戦略です。

外部や内部要因によって求められるブランド像にギャップが生じた場合、ブランドコンセプトを抜本的に変更し、新たなブランドイメージの形成を目指します。

リブランディングのメリットは以下の通り。

・新たなブランドイメージを形成できる
・既存ユーザーのロイヤリティを向上できる
・新たなターゲットを呼び込み、ブランド拡大につなげられる

リブランディングは外見だけでなくブランドの核を変えるため、今までコストをかけて培ってきたブランドイメージを全て捨てる覚悟が必要です。

しかし、成功すれば新たなユーザー獲得やさらなるブランドの成長が期待できます。

関連記事:ブランドを再生!成功事例から見るリブランディングの力

成功事例から学ぶブランディングのポイント

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ブランディングを立案するうえで、他企業の成功事例は有効です。ここでは世界的な企業のブランディング成功事例から、ブランディングを成功させるうえで大切なポイントを5つご紹介します。自社の施策に役立てられる点がないか、ぜひご確認ください。

1.独自性の追求「Apple(アップル)」

アップルは他社との差別化を図るために商品の独自性を重視し、デザインとユーザー体験に特化したことで、顧客に長期間愛されるブランドとなった事例です。

例えばアップル製品のシンプルかつ高級感のあるデザインや独自のUIデザインは、他社との差別化を図り、ユーザーに魅力的な体験を提供しています。

滑らかなラバーハンドスクロールやアプリの起動方法など、ユーザーの利便性を高める要素を取り入れている点はAppleならではの強みです。

また、独自のストーリー性を大切にした宣伝広告もアップルの独自性の一つ。偉人たちの物語を通じて世界を変える可能性を訴求したことで有名な「Think Different」キャンペーンは、顧客に強い共感を呼び起こすメッセージを伝えました。

このように、Appleでは顧客の声をただ聞くだけの商品を販売するのではなく、独自性を重視することで、多くのユーザーを人を引きつけることに成功したのです。

2.エンゲージメントを重視「Airbnb(エアービーアンドビー)」

世界各国で民泊サービスを提供する「Airbnb(エアービーアンドビー)」はエンゲージメントを重視し、ユーザーとの深い関係構築を通じて信頼共感を築き上げることで、ブランドの価値を高めました。

例えばユーザー同士の体験共有とコミュニケーションを重視し、顧客との強いエンゲージメントの構築を通じてブランドの価値の向上を図っています。

Airbnbのコンテンツは、宿泊施設を提供する「ホスト」と利用する「旅行者」の2つの側面に焦点を当てている点が特徴的です。このアプローチにより、人と人とのつながりを重視するコンセプトが強調され、多くの人にAirbnbが認知されました。

また、Airbnbが発行するライフスタイル誌「Pineapple (パイナップル)」も成功要因の一つです。このマガジンは、都市での生活や人々とのつながりを紹介しており、人間に焦点を当てているブランドアプローチとリンクさせています。

このようにAirbnbは人と人とのつながりを重視し、宿泊という特別な体験を通じて顧客に安心とワクワクを提供することで、ブランディングを成功させました。

3.顧客中心のイノベーションアプローチ「Amazon(アマゾン)」

Amazon(アマゾン)は顧客のニーズを理解し、利便性と選択肢を提供することでブランド価値を高めました。これは創業者のジェフ・ベゾスのビジネスビジョンが大きく影響しています。

ジェフ・ベゾスは「お客様は常により良いものを望んでおり、過去の良いものはすぐに普通になる」と述べています。つまり、単に顧客の要望に対応するだけでなく、先んじてニーズを満たすことが重要だと言うのです。

このような創始者のビジョンが起点となり、Amazonではお客様の不満や期待の変化に敏感であることを企業のブランディングでも強く打ち出しています。

例えばお客様を中心に据えて顧客のニーズを深く理解するのはもちろん、その背後にある理由を追求するブランディングを実践していることは、Amazonのブランディングの特徴です。

また、顧客の将来的なニーズを先取りすることで、継続的な価値を提供し、顧客との関係を維持しています。

このような顧客の満足と信頼を基盤としたブランディング戦略が、Amazonの成功に寄与しています。

4.顧客とのエモーショナルな結びつきの創出「Coca-Cola(コカ・コーラ)」

Coca-Cola(コカ・コーラ)はエモーショナルな結びつきを育むために、共感や幸福感を強調した広告を通じてブランディングを行っています。

例えば音を用いた広告は、その成功事例の一つです。Coca-Colaを飲む際に聞こえるあのシュパッという音を想起させるような、炭酸飲料水を飲む瞬間や缶のプルタブを開ける様子などを写真や画像で表現。そして「この音を聞かずにいられますか?」というキャッチフレーズとともに、人の五感に訴えかけたのです。

音を使ったこのブランディング戦略は、競合他社との差別化に効果的で、顧客の認知に強く浸透するものになり、ブランド価値を高めることにつながりました。

さらに、Coca-Colaの広告はスポーツと関連づけたマーケティングも積極的に行っています。例えば世界的なスポーツ大会やイベントでの感動的な瞬間にCoca-Colaの宣伝がデジタルサイネージで映ると、商品への共感や一体感を醸成させる効果をもたらします。

このような緻密なマーケティング戦略によってブランド価値を高め、顧客の共感と結びつきを深めたことでCoca-Colaのブランディングは形成されました。

5.社会的使命との結びつき「Patagonia(パタゴニア)」

Patagonia(​​パタゴニア)は環境保護活動とブランドを結びつけ、社会的な使命を追求したブランディングをおこなう企業です。

例えば同社は環境への配慮を中心に据え、リサイクル素材の使用や自然環境保護活動の支援など、積極的な環境保護活動を展開しています。これにより、社会的責任を果たすとともに、消費者からの支持を集めることに成功しました。

またPatagoniaは「地球を救うためにビジネスを営む」という明確なミッションを掲げ、自社製品やサービスが社会問題に配慮していることを示しながら、消費者の信頼を高めています。

高品質で機能性に優れた製品の提供も、Patagoniaの成功の要因です。アウトドア愛好家から高い評価を受ける製品を提供することで、顧客からの支持を獲得しています。

このようなブランドの価値を高める施策を行うことで、Patagoniaはアウトドア用品の分野で世界的に知られる企業となりました。

ブランディングを行う際の注意点

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ブランディングを行う際にはいくつか注意すべき点があります。

1.ブランドコンセプトを明確にする

明確なブランドコンセプトをもつことは、顧客から愛されるブランドに成長させるうえで大切な要素です。

ブランドコンセプトを明らかにできていないと、新規のユーザーだけでなく、既存の顧客に対しても、簡潔に商品やサービスの魅力が伝わりにくくなります。また、社内外でのブランドの理解や認識がぶれると、ブランディング活動の一貫性が失われる可能性があります。

ブランドコンセプトは企業理念とも密接に関連する要素です。一般的にブランドコンセプトを作る際には、企業理念を元にビジネスの基本的な方向性を示したうえで、具体的なメッセージやストーリーを設計します。

コンセプトのブレを回避できれば、ビジネスの方向性が明確になり、従業員の指針を定めることが可能です。さらに、ターゲットへの的確な訴求や、開発のブレを防ぐ助けにもなります。

2.顧客との関係性を大切にする

顧客とのコミュニケーションを怠ると、顧客のエンゲージメントが下がり、競合他社の商品やサービスに乗り換える可能性が高まります。

したがって顧客との緊密な関係を築くためにはまず、ファンとのコミュニケーションを重視しましょう。例えば、SNSを通じて、親しみやすさを育みながらコミュニケーションをとることは効果的なブランディング施策の一つです。

ただし導入の際にはガイドラインを導入し、ルールを守りながら、ユーザーとの対話を大切にすることも忘れてはいけません。

また、ブランディングは顧客の感情に訴えかける内容にすることも重要です。ストーリーテリングや感情を呼び起こすコンテンツを活用できると、顧客の心に深く響くメッセージを伝えられます。このようなアプローチによって、顧客との絆を強化し、ブランドへの愛着を育みましょう。

3.定期的に効果検証を行う

ブランド戦略の実行後には、定期的に効果を検証します。効果検証がおそろかになると、うまくPDCAサイクルを回せないため、効果的な改善方法を選択できないからです。

効果検証の際にはまず、提供するサービスや商品、イメージの分析を通じて、ブランド戦略の成果をチェックします。客観的に現状分析を行うためにも、アンケートやフレームワークを活用しましょう。

ブランディングは変化する環境に合わせて適宜調整が不可欠です。社会情勢や技術のアップデートなどが影響して、思ったような効果が得られない場合は、戦略の変更も検討しましょう。

このような継続的な効果検証と柔軟な戦略調整が、ブランディングの成功に大きく近づきます。

4.フレームワークで自社を取り巻く状況を明らかにする

ブランディングの施策を実行する前に、まずはフレームワークを用いて自社製品やサービスを取り巻く市場の状況を明らかにしましょう。

フレームワークとはマーケティング活動での戦略立案や問題解決に役立つ分析、思考の枠組みのこと。多種多様なフレームワークがありますが、ブランディング分析で使用される代表的なものは次の3つです。

・PEST分析
・3C分析
・SWOT分析

PEST分析

PEST分析は自社製品やサービスにもたらす影響を政治・経済・社会・技術の4つの外部環境に分類して脅威を洗い出し、環境分析するフレームワークです。

Politics(政治的要因) 税制、法改正、規制緩和、政権の交代、外交向など
Economy(経済的要因) 景気、株価、インフレ・デフレ、金利、原油価格、賃金動向など
Society(社会的要因) 流行、生活習慣・ライフスタイル、文化、人口動態、社会意識、教育、少子高齢化など
Technological(技術的要因) ビッグデータ、AI、IoT、特許、投資動向など

PEST分析は長期的な視点で外部環境の変化を把握するのに適しています。変化から付加価値を読み取り、ブランディングの方向性を決める際に有用です。

3C分析

3C分析は「顧客・市場(Customer)」を内部環境、「自社(Company)」と「競合他社(Competitor)」を外部環境として、市場環境を分析するフレームワークです。

Customer(顧客・市場:内部環境) 顧客ニーズ、購買行動、購買プロセス、市場規模、市場の成長性など
Company(自社:外部環境) 製品・サービスのの特徴、資本力、開発力、宣伝力、企業としてのビジョンなど
Competitor(競合他社:外部環境) 競合企業の製品・サービスの特徴、事業規模、顧客数、宣伝力など

3C分析を通して、自社製品・サービスの強み・弱み、競合他社のビジネス戦略や市場シェア、顧客のニーズ、行動パターンを明らかにできます。

SWOT分析

SWOT分析とは自社製品・サービスが、どう市場環境に置かれているか、企業や事業の現状分析をするときに使うフレームワークです。

強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの要素を使って分析します。

市場環境は次の2つに分けて、それぞれのプラスおよびマイナス要因を分析する点が特徴的です。

・内部環境:自分たちでは変えられる
・外部環境:自分たちでは変えられない

市場環境を自分たちでは変えられない「外部環境」、自分たちで変えられる「内部環境」に分けて、それぞれのプラス要因とマイナス要因を分析します。

  プラス要因 マイナス要因
内部環境 強み(Strength)
独自の付加価値、競合に勝る自社の強み
弱み(Weakness)
自社の弱み
外部環境 機会(Opportunity)
自社にとってチャンスになる機会
脅威(Threat)
競合に劣っている点、自社にとって脅威になる要因

これらの4要素を組み合わせて、ブランディング戦略の方向性を決めます。

ブランディング成功につながるKPI設定のポイント

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KPIとは最終的な目標を達成するために設定する、中間目標のことです。

ブランディングの効果を正しく評価するためには、次のポイントを意識してKPIを設定する必要があります。

・KPIの設定水準は現実的に達成できる適切なものか
・KPIの定義は誰がみても同じくらいに明確か
・求める最終結果と指標に一貫性をもたせる

以下で、それぞれのポイントを詳しく解説します。

ポイント1.KPIの設定水準は適切か

KPIを設定する際には、設定した水準が適切か確認しましょう。例えば、次のようなKPIを設定しても、KPI分析の効果が発揮できない可能性があります。

・簡単に達成できる指標
・数値で測定できない指標
・現実離れした高すぎる指標

KPIは設定して終わりではなく、定期的な分析が必要です。達成できなかった指標や望ましくない指標の改善を検討します。精度の高い施策につなげるためにも、適切なKPIを設定しましょう。

ポイント2.KPIの定義は明瞭か

まず、測定できる指標をKPIとして設定することが欠かせません。「とにかく売り上げをアップさせる」といった曖昧な指標は避けてください。定義づけをしたうえで、現実的に達成できる数値化された指標を設定しましょう。

数値化された指標とは例えば、WebサイトのKPIの場合、PV(ページビュー)やセッション数(訪問数)、資料請求・問い合わせ数、顧客単価などです。

年や月などを一定の期間で比較したり、パーセンテージや金額などで表現したりすると、わかりやすく具体化が可能です。

ポイント3.設定したKPIはKGIと関連した指標か

企業が達成したい最終目標は一般的に、KGI(重要目標達成指標)で示されます。自社で求める結果と関連性のあるKPIを設定できているかが、正しいKPIの設定には不可欠です。

例えば、ブランディングによって新規顧客の売上アップを目指す企業が「社員との1on1面談の実施」をKPIで設定しても、一貫性がないため、適切な効果が得られません。

この場合「ブランド助成想起率○%アップ」「問い合わせ件数○件」などが適しています。

適切なKPIを設定するには、求める最終結果と関連した指標かどうかの確認が大切です。

ブランディングは成果が出るまでに時間がかかる

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ブランディングにはノウハウが必要になるため、成功事例を参考にブランディングを行ったからといって、すぐに同じような成果が得られるわけではありません。

また、自社の製品・サービス、企業に関するポジティブなイメージを浸透させるまでには時間がかかります。

特に競合ブランドが強い場合は、後発でそれ以上のブランド力を発揮することが困難なケースが少なくありません。成果を得るには、細かな施策や大胆な戦略が必要です。大きな変革が必要になる分、リスクを取らなければならない局面も出てきます。

差別化できるポイントや強み、新しい顧客の価値観を洗い出し、浸透させること。そして、中長期的な視点でブランディングを行って、時間をかけて少しずつ目標達成を目指す姿勢が成果を上げるうえで欠かせません。

「最短で効果のあるブランディングを行いたい」「自社の方向性が正しいか自信がない」「専門性をもつ人材がいない」といった場合はブランディングに特化した会社に依頼し、プロの戦略を軸に戦略を立てることをおすすめします。

タカヨシが行ったブランディング事例をご紹介!

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タカヨシでは企業様のブランディングに関して、様々なサポートを行っています。ここでは具体的に、タカヨシで行ったブランディング事例をご紹介します。

事例1.老舗蕎麦店「小嶋屋総本店」様のブランディング

新潟県内に8店舗の直営店をもち、新潟名物「へぎそば」のトップブランドとして「フノリ(海藻)つなぎ」「へぎそば」の文化を継承し全国に発信している「小嶋屋総本店」様は、年間 88 万人ものお客様が来店されるほどの有名店です。

新潟県内には「越後十日町小嶋屋」「越後長岡小嶋屋」そして「小嶋屋総本店」の3つの“小嶋屋”が存在しています。この3つは暖簾分けされた別法人であり、製法・味・経営方針はそれぞれ異なります。

小嶋屋総本店としてのブランド力を今後はさらに高めていきたいとのことで、ブランディングをご相談いただきました。

そこで弊社がご提案した解決策が、以下です。

まず、ビジュアルアイデンティティ(VI)の作成を行いました。小嶋屋総本店のシンボルである「水車」を活用し、シンボルマークやロゴデザイン、ブランドカラーなどを統一。これにより、店舗や商品の統一感を視覚的に表現し、ブランドの認知拡大と理解浸透を図りました。

次に行ったのが、VIをベースにした商品パッケージや販促ツールの展開です。商品特性や時代背景、販路を考慮してコンセプトやデザインを継続的にリニューアルし、差別化を図りました。

この取り組みや15年にわたる支援の結果、DMのレスポンス率や売上が向上し、ブランディングによる成果を確認しました。
また、継続的にブランディングを見直して成果を出した例が、2019年に実施した乾麺のパッケージリニューアルです。商品名の変更と他製品とのデザインの差別化によって、区別が明確になりました。

このような継続的な差別化と顧客のファン化を目指した施策が、売上の増加やブランド価値の向上につながりました。

事例2.弥彦村のブランド米「伊彌彦米(いやひこまい)」のブランディング

弥彦村ではふるさと納税の返礼品として、伊彌彦米「伊彌彦米(いやひこまい)」を提供しています。しかし、その取り組みのなかで、ブランディングが課題だとわかりました。

そこで弥彦村は越後国一宮の彌彦神社があるという伝統や歴史の強みを活かし、地元産のお米を効果的にアピールするためのブランディングを行いました。

まず、地域の起源と彌彦神社の縁をコンセプトに設定。彌彦神社とお米の歴史や、もみ殻の枠内に商品名を力強くイメージさせたロゴマークを作成しました。

またパッケージデザインも、地域の特徴やコンセプトにあわせてリニューアル。地域イベントや店舗での宣伝を行うためのポスターやのぼり旗、店舗スタッフの制服もブランドイメージにあったデザインに新しく統一しました。

このようなブランディング施策の結果、伊彌彦米はふるさと納税の返礼品として大きな注目を浴び、弥彦村の納税額は以前の3倍増の3億円を突破。

現在はお米だけでなく弥彦村の幅広い商品にブランドイメージを活用することで、多くの人たちに愛され、喜ばれる商品として認知が拡大しました。

ここでご紹介した事例の他にも、タカヨシでは企業様のブランディング支援に幅広く携わっています。詳しくは下記の記事をご確認ください。

その他の事例はこちら>>

まとめ

適切なブランディングを行うには、まず自社の強みを把握し、ブランドコンセプトを明確にすることが重要です。また、競合他社が行っているブランディング事例などを確認しながら、定期的な効果検証を行うことも欠かせません。

タカヨシでは販促物のブランディング企画の立案からデザイン作成や製造など、ブランディングに関することをトータルでお任せいただけます。

どのようにブランディングを進めたらいいかわからない、ブランディングを見直したい、専門的な知識をもつ人材が自社にいないといったお悩みも、経験豊富なスタッフがお答えします。ぜひお気軽にご相談ください。

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