販促イベントは企業にとって効果的な施策の一つ。顧客との接点を増やし、購買意欲を高め、売り上げアップに貢献できます。
しかし、いざイベントを企画しようと思っても「どんなイベントが効果的なのか」「成功させるためには何が必要なのか」と悩むケースは多いのではないでしょうか。販促イベントとは、企業が自社の商品やサービスをターゲットとなるユーザーにアピールし、購買を促すために開催するイベントです。商品紹介や試食・試用、体験会など、さまざまな手法を用いて、顧客の購買意欲を高めることを目的としています。
ビジネスでは、主に下表のような場面で役立ちます。
つまり販促イベントとは、企業がターゲットとなる消費者の購買意欲を刺激し、購買行動を直接的に促す催しです。
販促イベントには様々な形式がありますので、次の章では主な販促イベントの種類と実施する目的をそれぞれ解説します。
主な販促イベントの種類は次の4つです。
・商品プロモーション
・商品販売イベント
・法人向け商談会・展示会
・プライベートショー
販促イベントにはそれぞれ、下表のような特徴があります。
商品プロモーションとは、商品やブランドの認知度向上、理解促進、そして購買意欲を高めることを目的としたイベントです。顧客に商品を実際に体験してもらうことで、従来の広告や情報発信とは比べ物にならない、深い理解と購買意欲を与えます。
商品プロモーションの目的は、大きく3つに分類できます。
・認知度向上:多くの人に新商品やリニューアル商品を知ってもらう
・理解促進:商品の機能や特徴、魅力を理解してもらう
・購買促進:実際に商品を試してもらい、購買意欲を高める
これらの目的は、イベントの内容やターゲット層によって組み合わせることが可能です。
具体的には商品サンプリングや体験イベントなどがこの販促イベントに該当します。実際に自社商品を手に取って試してもらうことで、商品の質感や香り、味などを体感し、購買意欲を高められることが期待できます。
商品販売イベントとは、商品を展示・紹介するだけでなく、その場で販売を行うイベントです。商品やブランドの認知度や購買意欲、売上などの向上が期待できます。
購買意欲だけを高めても、購入のハードルが低い状況でなければ、機会を逃す可能性があります。そこで商品販売イベントでは、購買意欲を購買行動に繋げる点に特化している点が特徴的です。
商品販売イベントの目的は以下の4つに大別できます。
・売上向上:その場での販売による売上アップ
・顧客獲得:新規顧客を獲得する
・顧客ロイヤルティ向上:既存顧客との関係を強化する
・ブランド認知度向上:ブランドや商品の認知度を向上させる
例えば期間限定で店舗を開設し、限定商品などを販売するポップアップストアや商品の使い方や機能を実演しながら販売する実演販売イベントなどがこれに該当する販促イベントです。
法人向け商談会・展示会は、企業がターゲットとなる企業に対して、自社の商品やサービスをアピールし、見込み顧客との接点を増やし、ビジネスチャンスを創出するためのイベントです。
法人向け商談会・展示会の目的は主に5つに分類できます。
・新規顧客獲得:潜在顧客を発掘し、新たな取引先を開拓する
・既存顧客との関係強化:顧客との信頼関係を築き、継続的な取引を促進させる
・ブランド認知度向上:自社のブランドを広く知ってもらう
・商品・サービスのPR:新商品やサービスを効果的にアピールする
・市場調査:競合他社の動向や市場ニーズを把握する
見本市や商品の展示会、特定の業界の企業が集まる産業交流会などが該当します。
プライベートショーは、企業が招待した顧客のみを対象とした販促イベントです。一般公開とは異なり、限定された顧客との関係強化や、話題作り、ビジネスチャンス創出などを目的として行われます。
プライベートショーの目的は大きく分けると以下の5つです。
・顧客との関係強化:既存顧客との信頼関係を築き、継続的な取引を促進させる
・新商品・サービスのPR:限定顧客に先行公開し、期待感や話題を誘う
・話題作り:メディアやインフルエンサーに情報を発信し、ブランド認知度を向上させる
・ビジネスチャンス創出:取引先との商談機会を創出し、新規ビジネスを生み出す
・顧客満足度向上:特別な体験を提供し、顧客満足度を高める
業界の最新情報や課題解決策などを提供するセミナーや顧客との交流を深めるためのパーティー(懇親会)などがこれに該当します。
販促イベント成功のために必要なキーポイントは主に5つです。
・目的・ターゲットを明確にする
・告知方法を考える
・スタッフを教育する
・アンケートを用意しておく
・イベント終了後は効果測定をする
それぞれのキーポイントについて、以下で詳しくみていきましょう。
販促イベントは商品やサービスの認知度向上、販売促進、顧客との関係強化など、さまざまな目的で実施されます。しかし、目的やターゲットを明確にせずに行うと、顧客の期待に応えられないイベントとなり、思ったような成果が上がらない可能性があります。
従って販促イベントを成功させるためには、まずイベントの目的を明確にすることが重要です。イベントの目的によって、企画内容やターゲット、告知方法などが大きく変わってくるからです。
イベントの目的が明確になったら、次にターゲットとなる顧客層を明確にする必要があります。ターゲットによって、興味関心やニーズが異なるため、それに合わせた企画内容や告知方法を選択することが重要です。
例えば、ターゲット設定は以下のポイントを元に行えます。
・年齢
・性別
・職業
・興味関心
・ニーズ
・ライフスタイル
販促イベントを考える際にはまず、「何のために」「誰に届けるのか」を明確にしましょう。
販促イベントを成功させるためには、ターゲットとなる顧客層に効果的にイベントを告知することが重要です。ターゲットによって、情報収集方法や利用するメディアが異なるため、最適な告知方法を選択する必要があります。
例えば年齢層ごとにターゲットを区分する場合、次のような告知方法が行えます。
若年層はスマートフォン利用率が高いため、SNSを活用した告知が効果的です。一方で紙媒体に馴染のあるシニア層にアプローチする場合、新聞広告や折り込みチラシなどを用いた方が効果的にアプローチできます。
決めたターゲットに届く告知方法は何か、検討しましょう。
販促イベントを成功させるためには、顧客満足度の高いサービスを提供することが重要です。そのためには、スタッフの教育が欠かせません。
具体的なスタッフの教育内容は以下の通りです。
スタッフ教育のポイントは以下の5つです。
・事前に十分な時間を確保して行う
・わかりやすく実践的な内容にする
・テストやロールプレイングなどを行い、理解度を確認する
・フィードバックを行い、改善を促す
・モチベーションを高めるような声掛けや報酬を用意する
イベントの内容が良くても、イベント当日のスタッフの対応が悪いと、顧客満足度が下がる可能性があります。イベント当日のスタッフの役割分担や対応などを事前にしっかり教育しましょう。
販促イベントを成功させるためには、顧客ニーズと効果測定の把握が不可欠です。
まず、販促イベントを企画する際は、定量調査・定性調査で顧客のニーズを把握しましょう。リサーチをせず販促イベントを開催すると、失敗につながる恐れがあります。
定量調査・定性調査とは具体的に次のようなものを指します。
・定量調査:アンケート調査、顧客データ分析など
・定性調査:インタビュー、グループインタビュー、フォーカスグループなど
顧客ニーズを把握すると、以下が可能になります。
・ターゲットに合わせた企画内容の検討
・顧客満足度の高いイベントの実現
・イベントの費用対効果の向上
・顧客ニーズの把握
顧客がどのようなことに関心を寄せているのか、どのようなイベントを求めているのかなど、顧客について様々な視点で調査しましょう。顧客ニーズが理解できると、思いもしなかった販促イベントのアイデアが見つかるはずです。
販促イベントは、商品認知や売上向上に効果的な施策ですが、効果を検証しなければ、具体的な成果や改善点を見つけることはできません。
そこで重要となるのが、イベントの成果の数値化です。数値化することで、以下のような点について客観的な視点から効果を判断し、今後のイベント戦略に活かせます。
・イベントの成功・失敗の判断
・次回以降のイベントに活かせる改善点の特定
・費用対効果の分析
・効果測定の指標
効果測定の指標は販促イベントの種類によって異なりますが、主に以下が挙げられます。
・イベント参加者数
・顧客満足度
・売上
・SNS反応
・ブランド認知度
例えば、商品販売イベントの場合、次の指標を元に効果測定が可能です。
・売上データ分析:イベント前後での売上データの比較
・顧客アンケート:顧客満足度や購買理由の調査
・SNS分析:イベント関連の投稿数やエンゲージメント
測定して得られた情報をもとに、今後のイベント戦略を立てていきましょう。
ここまで販促イベントとは何か、種類や成功に必要なキーポイントなどを解説してきました。
しかし実際に販促イベントを開催しても、ターゲット顧客が来場せず、期待通りの成果が得られなかったというケースは少なくありません。
販促イベントで「集客できない」という課題を克服するためには、事前にしっかりと準備し、効果的な集客戦略を実行することが重要です。
以下では販促イベントで集客を成功させるための5つのコツを紹介します。これらのコツを参考に、ターゲット顧客を効果的に集め、成果に繋がる販促イベントを開催しましょう。
販促イベントを成功させるためには、ターゲットを明確化し、参加するメリットを効果的に訴求することが重要です。
「できるだけ多くの人に参加して欲しいから」と幅広くターゲットを設定すると、狙っていた顧客へのアピール力が弱くなり、結果として大きな集客効果が得られない可能性があります。ターゲットを明確にすることで、その層に刺さる訴求を行えます。
また、ターゲットにイベントに参加してもらうためには、以下のようなターゲットがそのイベントに参加するメリットを具体的に提示することがポイントです。
・情報収集:イベントでしか得られない情報を提供する
・体験:商品・サービスを体験する機会がある
・特典:参加者限定の特典を提供する
・人脈形成:他の参加者と交流する機会がある
参加の前後でどのようなメリットがあるか明確に伝えることで、参加意欲を高められます。
オフラインやオフラインとオンラインを融合させたハイブリッド型で販促イベントを行う場合、アクセスの良さを基準に会場を選定しましょう。
例えばアクセス性の基準を考える場合は、以下のような基準を元に選定できます。
・ターゲットとなる顧客層がアクセスしやすい場所を選ぶ
・ターミナル駅や空港からのアクセスを考慮する
・遠方からの参加者も想定し、開催時間を調整できる
ターゲットとなる顧客層にアクセスしやすい場所で開催することで、参加のハードルが下がり、より多くの人に来場してもらえます。
また、遠方からの参加者も時間に余裕を持って来場できるため、イベント内容に集中しやすくなり、満足度も向上できます。
イベントのタイトルは参加するかしないかの決定打となる重要な要素です。最低でも以下の要素を含めてイベントタイトルを考えましょう。
・どのようなイベントか
・誰向けのイベントか
例えば、20代女性向けメイクアップイベントの場合は「【20代必見】たった30分で垢抜けメイクをマスター!」。ビジネスパーソン向けセミナーでは「【今すぐ使える】売上アップの秘訣を3時間で学べるセミナー」のように、ターゲットに合わせた言葉選びをすると、その層に刺さるアピールができます。
その他「短くてインパクトのあるフレーズにする」「ターゲット層に理解しやすいフレーズにする」などの配慮も、参加者の興味をひきつけ、参加意欲を高めるタイトルづけをするうえで重要です。
販促イベントを成功させるためには、独自性と体験を意識することがポイントです。
独自性を確立するには「ここでしか聞けない話」、「ここでしか見られないもの」、「ここでしか会えない人」など、競合イベントとの差別化ポイントを明確にする必要があります。
例えば業界著名人による特別講演や最新技術のデモンストレーション、限定商品の販売などを行うと、独自性が高まり、集客力アップにもつながるでしょう。
また、単に情報を伝えるだけでなく、参加者が実際に体験できるイベントを企画することも大切です。ワークショップや試食会などを通じて、ここでしかできない体験を生み出しましょう。
独自性と体験をうまく活用して、他のイベントにはない販促イベントを企画しましょう。
前述したように、イベントの認知度が低いと十分に人が集まらず、販促イベントの目的を達成できません。近年はオンラインでの告知が主流ですが、オフラインでの告知も併用することで、より幅広い層へのリーチが可能になります。
オフラインとオンラインを組み合わせて、より多くのターゲットへのリーチを目指しましょう。
例えばオフラインでは次のような告知方法が可能です。
・DM:ターゲット層に合わせた内容でダイレクトメールを郵送
・チラシ:ポスティングや店頭配布
・ポスター:駅や商業施設などに掲示
・イベント情報誌:イベント情報誌に掲載
・POP:店頭や店内で商品の情報をアピール
オフラインは信頼感や親近感を訴求でき、地域密着型のイベントに効果的。五感に訴える訴求ができる点が強みです。
一方でオンラインでは次のような媒体を使った集客が見込めます。
・SNS:ターゲット層に合わせたプラットフォームで情報発信
・Webサイト:イベント特設ページを作成
・メールマガジン:顧客リストに情報を配信
・広告:検索エンジン広告、ディスプレイ広告など
・インフルエンサーマーケティング:影響力のある人物にイベントをPR
オンラインは低コストで実施でき、迅速かつ広範囲に情報を発信できる点がメリットです。
オフラインとオンラインを融合させたハイブリッド型の告知を行うと、集客効率を高められます。
上記で説明した販促イベントの成功ポイントを踏まえ、実際に成功したイベント事例をいくつか紹介します。各事例から、自社のイベントに活かせるヒントを探しましょう。
商店街スゴロクは、商店街全体をゲーム盤に見立てた販売促進イベント。参加者はサイコロを振ってマスを進み、止まったマスのお店で割引や特典を受けられるイベントです。
新津新光商店街協同組合が行った商店街体験イベント「にいつ商店街鉄道スゴロク」は商店街をスゴロクの盤のようにみなして、参加者がサイコロを振って進み、ゴールを目指す販促イベント。各店舗で課題が出され、参加者はそれをクリアしないと次の店舗に進めないルールになっており、時間内にゴールした参加者は、景品の当たる抽選会に参加できる流れになっています。
止まったマスの特典を受けられるのはもちろん、ゴールにたどり着いた人にはさらに抽選会に参加できる仕組みを取り入れることで、参加者のモチベーションがアップ。イベントの一つとして、顧客に商店街に入ってもらうきっかけを演出できた成功事例です。
コカ・コーラは、人気アパレルブランド「BEAMS」とコラボした限定デザインの非売品ノベルティを配布する販促キャンペーンを実施しました。このキャンペーンのポイントは、抽選ではなくポイントを貯めれば必ずもらえる方式を採用していることです。
バリエーション豊かな非売品ノベルティを用意したことで、顧客は好きなデザインを選べる楽しみを味わえるように。限定デザインという希少価値と、必ずもらえるという確実性によって、まとめ買いを促進する効果も生まれました。
ペットボトルや缶飲料は保存がきくため、まとめ買いしやすい商品です。コカ・コーラは、顧客のこうした心理を巧みに刺激することで、商品の販売促進を図ったと考えられます。
直接的で分かりやすいこの販促施策は、顧客の購買意欲を高め、ブランドイメージ向上の効果が期待できる成功事例です。
日本最大級のマーケティングの総合展示会として知られる「販促エキスポ」。マーケターや宣伝・広報・営業推進、マーケティング支援サービスのプロなどが出会うビジネスマッチングの場として、売上アップ・ブランディング・集客力アップなど、企業の課題解決に絶好の機会を提供しています。
印刷・物流資材に加えて、イベントのディモルギア、WEBのデジプル、映像のMADプロダクションと、オンラインもオフラインも豊富なコンテンツをもつタカヨシグループもこの「販促エキスポ」に参加。
リアル・オンライン・デジタル・アナログ問わず様々なメディアに対応した総合ブランディング企業として、お客様の今ある商品やサービスをオンライン×オフラインのプロモーションでブランディングをご提案しました。
タカヨシグループとしても、目標だった名刺獲得数を達成。多くの企業様との接点をもつチャンスを得ました。
販促イベントでの集客力はイベントの成功のカギを握る重要なポイントです。今回紹介した集客のコツや成功に必要なキーポイントなどを参考に、適切な施策を選びましょう。
販促イベントで着実に成果を上げたい場合は専門的な知識やノウハウをもつ企業へのアドバイスを受けることをおすすめします。タカヨシでは経験豊富なスタッフが販促イベントでの集客・売上アップに関するアドバイスを行っていますので、この機会にぜひご相談ください。