新潟県内に8店舗の直営店をもち、年間 88 万人ものお客様が来店される小嶋屋総本店様。
新潟名物「へぎそば」のトップブランドとして、「フノリ(海藻)つなぎ」「へぎそば」の文化を継承し全国に発信している企業です。
実は新潟県内には「越後十日町小嶋屋」「越後長岡小嶋屋」そして「小嶋屋総本店」の3つの“小嶋屋”が存在しています。この3つは暖簾分けされた別法人であり、製法・味・経営方針も異なるもの。
そうした背景があるなかで、小嶋屋総本店としてのブランド力をより高めていきたいとのことでご相談をいただきました。
提飲食業界では必要なタイミングでスピード感のある販促施策・対応が求められるためタカヨシでは、小嶋屋総本店様の専任を決め社内体制を組みました。
はじめにご提案したのは、VI (ビジュアルアイデンティティ)の作成。シンボルマーク・ロゴデザイン・ブランドカラーなど作成しブランドや商品・サービスの統一感を視覚的に持たせることで、認知拡大や理解浸透を狙うVI。
タカヨシでは、小嶋屋総本店様の店舗に併設されている「水車」 に着目し、これをシンボルとしたVIをご提案。「水車の廻る小嶋屋総本店」をブランドコンセプトに、販促物・資材・WEBなど消費者の目に触れるアイテムに全面展開を行いました。
100周年記念ロゴも制作させていただきました
VIをベースに作成した商品パッケージ・販促ツールへの展開では、商品特性や時代背景、販路を考慮したコンセプト・デザインへと継続的にリニューアルを実施しています。
お客様へお送りするDMにも仕掛けを盛り込み、高い満足度を獲得されています。小嶋屋総本店様では、約 12,000 人のお客様へ年6回に分けて紙DMを郵送。店舗でアンケートに答えて頂いたお客様を対象に送られていますが、高い満足度を得るためにいくつかの施策を実践されています。
1 DMにしか掲載されない「限定セット」の販売
小嶋屋総本店様のDMでは、郵送する季節に合わせた「こだわりの旬の食材」のセット商品をDM限定でタイムリーに販売されています。季節に合った商品であることに加えて「ここでしか買えない」という限定感が、リピート顧客を飽きさせない仕掛けとなっています。タカヨシではこちらのご案内チラシをデザイン・印刷させていただいています。
▲印刷でフノリ(海藻)の緑色を自然に再現することも、小嶋屋総本店様のこだわりのひとつ。
写真撮影、データ色調整、印刷など各フローでそのこだわりを理解した制作や作業を行っています。
2 社長からのメッセージ
小嶋屋総本店様のDMは一方的な商品案内ではなく、顧客目線でファン化につながる情報発信をされています。例えば、毎回同封されている、社長からのお手紙。社長の言葉を直接目にすることで、顧客に親近感を感じてもらえ、こうしたこまやかな施策が顧客のファン化につながっています。
3 読み物コンテンツを充実させ、読んで楽しむDMに
もう一つの読みものコンテンツとして、蕎麦にまつわるミニコラム等もお届けされています。小嶋屋総本店様への理解を楽しく深めていただき、毎回届くのが楽しみになるような施策を実践されています。
こうしたDM施策を重ねることで、小嶋屋総本店様の差別化・ファン化へと結び付き、主力商戦のお中元・お歳暮DM では、40 %を超えるレスポンス率を記録しています。
ブランディング・DM制作については、月に1度開催される販売促進戦略会議にタカヨシのスタッフも参加し、タイムリーに課題をくみ取り解決策をご提案しています。
2022年は小嶋屋総本店様100周年を記念した動画制作等も担当させていただきました。
このようにして小嶋屋総本店様のブランディングを15年ほど支援させていただき、DMのレスポンス率や売上の向上等、着実に成果に貢献。
単なるリニューアルではなく、差別化・顧客のファン化へつなげるための長期的な伴走型支援をさせていただいております。
大きな成果として、売上が2019年から120%となり、リブランディングによって売上に貢献をさせていただきました。
特に大きな転機となったのは2019年5月から実施した乾麺のパッケージリニューアル。
商品名を布乃利そば→「布乃利へぎそば」/手繰りそば→「手繰りへぎそば」としてからは、それぞれの区別がぐっと分かりやすくなり、ブランディングとしても成功したとのご評価をいただいております。
売上が2019年の120%を達成
また、高級乾麺「手繰りへぎそば」が「 NIPPON OMIYAGE AWARD 」会長賞を受賞。
蕎麦の乾麺袋では珍しい黒と金のツートンカラーの小袋が高評価を獲得し、クリエイティブに対する評価もいただきました。
ご感想
当社は昨年、創業100周年を迎えましたが、タカヨシ様とのお付き合いは、当社が創業80周年を目前としていた頃だったかと思います。当社が創業80周年を迎えるにあたり、当時からブランディングの確立に向けて、色々な意見を交わし合った事は、今でも懐かしく思います。
当時は、80周年の記念誌(小冊子)を発行しました。当時はインターネットも普及しておらず、さらに「へぎそば」の歴史をまとめた書籍等も殆ど無かったころで、気の遠くなるような作業が続きました。利益に直結するわけではない仕事でしたが、今思うと当社のブランディングの原点は、この記念誌(小冊子)の発行にあったのではないかと思っています。
ブランディングにとってストーリーはとても大切ですが、それがきちんと整理され、確立する事ができたのです。
そこから20年以上のお付き合いですが、今では当社の月1回の会議に必ず参加して頂き、時に第三者の目線でもアドバイスを頂きながら、当社の想いや課題を共有して頂き、様々な販売促進をして頂いております。沢山の企画を行ってきた中、全くお金にならないような仕事もあり、ご迷惑をお掛けしてしまう事もありましたが、いつもありがとうござまいす。
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